世界第2位の小売業である仏カルフールが日本からの撤退を決めた。日本進出からわずか4年での撤退である。
思い起こせば、日本での出店第1号となった千葉市幕張店オープンのときには、「カルフール日本上陸」というニュースが大々的に新聞紙上で採りあげられたと記憶している。
たぶん、国内のライバル企業も戦々恐々としながらその動向を注目していたに違いない。
カルフールの日本での敗因はどこにあるのだろうか。低価格戦略にこだわり、多様な価格帯、種類を求める日本の消費者をつかみきれなかったことが最も大きな敗因としてあげられている。
カルフールの世界戦略は、メーカーとの直接取引による「低価格戦略」であった。
カルフールは、この低価格戦略を大きな武器に流通未発達の国々を中心に成功を収めてきたのである。
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しかし、結局、それが日本では通用しなかった。
カルフールの日本での敗因の一つは、今までの成功の大きな要因であった「低価格戦略」というビジネスモデルにこだわりすぎて、日本人独特の消費者ニーズへの対応を後回しにしてしまった結果ではないだろうか。
過去の成功に消費者ニーズを押し込むのではなく、消費者ニーズを中心に置いたビジネスモデルへの転換がなければ日本での成功は難しかったのかも知れない。
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