最近、カネボウと中央青山監査法人の事件依頼、なにかと話題となることが多い「粉飾決算」。先日、国税庁が発表した「平成16事務年度における法人税の課税事績」においても、仮装・隠ぺいによる不正計算を行っていた法人が2万4千件も見つかっています。
特にIT系のベンチャー企業では、取引の実態が見えにくい上、投資家の期待に応え続けなければならない「お家事情」から、心ならずも不正経理に手を染める経営者も多いと噂されています。
こうした状況を受け、「企業会計基準委員会」においても、今月から「ソフトウェア取引等収益検討専門委員会」が設置され、「取引の実態が見えにくい」とされるソフト取引を対象にした会計ルールの作成が開始されています。
ところで、法人が粉飾決算による過大申告を行った場合、払いすぎた税金は戻ってくるのでしょうか?。
基本的には、法定申告期限から1年以内に限り更正の請求をすることができ、納めすぎた税金を取り戻すことは可能です。
ただし、更正の請求をすればすぐに税金が全額還付されるのではありません。
更正年度以降、5年に渡って少しずつ戻ってくる形になり、5年間で控除できない税額については、5年目の法人税の申告後に残り全額が還付されます。
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粉飾決算が発覚すると、こうした法人税法上のペナルティだけではなく、商法や証券取引法違反にも問われ、経営者も特別背任罪などに問われたり、株主代表訴訟を起こされる可能性もあります。
また、会社の社会的信用も失墜し、会社の存続自体が危うくなります。
粉飾決算は、経営者として厳に慎むべき行為であることを肝に銘じるべきでしょう。
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