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外形標準課税の導入は正解だったか?

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税の公平負担などを目的に、平成15年度税制改正で創設された「外形標準課税制度」が導入されてから2年以上が経ちました。

 外形標準課税制度とは、資本金1億円超の企業に対し事業税に代わって課される地方税です。
事業税が企業の所得だけに課される税なのに対し、外形標準課税は所得の他に資本金等の外形基準にも課税される仕組みです。

つまり、従来は課税されなかった赤字(所得がマイナス)企業にも、資本金や付加価値(所得に報酬給与額、純支払利子等を加味したもの)に応じて「公平に」地方税が課されるようになったのです。

 導入直後、外形標準課税が課される資本金1億円超の法人は約3万社あり、そのうち約半数は法人事業税を課されていなかった赤字企業だと言われていました。

外形標準課税の導入により、これらの企業からも税収が上がるようになれば、地方財政も潤うだろうと考えられたのです。

 ところが、景気が回復してくると状況は一変しました。
なぜなら、外形標準課税において所得に課される税率は法人事業税よりも低く、景気回復によって企業の業績が上がれば上がるほど、外形標準課税の方が税収が少なくなる仕組みだったからです。
大企業の多い地域では、その差は大きなものになると予想されています。

 ところで、昨年の経済産業省の調査では、3月期決算の企業のうち1044社が資本金を1億円以下に減資したことが明らかになりました。

経済産業省では近く再調査を実施して外形標準課税逃れの実態が明らかになれば、資本準備金を新たに課税対象に加える、資本金の対象額を引き下げるなどの対策を考えているようです。

 企業業績が回復基調にある現在、制度を維持する必要があるのかは疑問です。
ただ税の公平負担という導入目的上、簡単には引き下がれないのも事実でしょう。




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