11月28日の参議院本会議で「最低賃金法」の改正案が可決成立しました。
最低賃金法は、労働者の生活を守るためのセーフティネットとして、「その金額以下で労働者を働かせてはいけない賃金=最低賃金」を定めている法律です。
ただし、この法律は最低賃金額そのものを定めるものではなく、最低賃金の効力、決め方、取り扱い、罰則などを規定しているものです。
実際の最低賃金は、この法律に基づき「最低賃金審議会」がその時々の経済情勢に応じて47都道府県ごとに定めます。
最近は毎年見直されており、現在の最低賃金額は全国平均で時給687円となっています。
今回の改正案は、最低賃金が生活保護の給付水準を下回る逆転現象の解消を目指すのが主な目的です。
具体的には、最低賃金の原則に、「労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする」という条文が加えられました。
この条文は憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」の精神を反映したものです。
この改正は今後の最低賃金の見直しにおいて、事実上の最低賃金引き上げを促すものといえます。
また今改正では、最低賃金を守らなかった企業に対する罰金額の上限も従来の2万円から50万円に引き上げられています。
なお、この改正最低賃金法の施行日は「公布の日から起算して一年を超えない範囲内」とされています。
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