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【時事解説】中小企業における若手人材の確保

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 厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、2016年平均の有効求人倍率は1.36倍となっており、2015年平均の1.20倍を0.16ポイント上回りました。

足下の有効求人倍率はバブル経済期以来の高水準で推移しており、企業の人材確保が喫緊の課題となっています。

 「中小企業白書2015年版」によると、大卒者の求人倍率を従業員規模別にみた場合、従業員が300人以上の企業では求人倍率が1.0倍程度で推移し求人数と求職者数が均衡している一方で、300人未満の企業では、求人倍率が3.0〜4.0倍の高水準で推移しています。

大企業に求人が集中する一方で、中小企業における大卒者の人材確保が厳しい状況であることが示されています。

 同白書において、中小企業の人材確保の状況について聞いたところ「十分確保できている」と回答した企業の割合は6.7%と1割に満たない状況となっています。

また、人材を確保できていない理由については、「人材の応募がないため」「人材の応募はあるが、よい人材がいないため」といった理由が大半であり、人材不足が質的にも量的にも深刻化していることが示されています。

 一方で、「2017年卒マイナビ大学生就職意識調査」に基づいて、「大手企業志向」か「中堅・中小企業志向」かについてみると、「中堅・中小企業志向」と回答した割合は47.0%と2016年卒の52.5%に比べて低下しているものの、依然として「中堅・中小企業志向」である学生の割合が半数程度あることがわかります。

以上のことから中小企業が若手の人材を確保するには「中堅・中小企業志向」の若者に対して、いかに自社の魅力を伝えていくのかがカギとなるのです。

 では、中小企業が若手人材を確保するためには具体的にどのような取組みが求められるのでしょうか。

ここでは「中小企業白書2015年版」において若手人材確保の成功事例として紹介された株式会社アイ・ビー・エスの取組みについてみていきたいと思います。

 株式会社アイ・ビー・エス(本社神奈川県川崎市)は、創業より30年間ビルメンテナンス業を営んできましたが、2009年頃に事業を転換し、現在は建物の清掃などの環境衛生に関する事業を中心に行っています。

同社では事業転換前は中途採用を行っていましたが、事業転換後は新卒採用への切り替えを行い、大学生を中心に毎年5名〜10名程度の新卒社員を採用しています。

 同社の人材確保が成功している理由の一つは、「必要とする人材像を明確にすること」があげられます。

同社では、新卒採用において「女性ならではのきめ細かい対応ができ、美的意識が高いことを前提として、同社の事業内容に興味を持てる人材」を採用すると決めており、求める人材の明確なイメージを持っています。

もう一つの理由は、「同社のありのままの姿を伝える」ことです。
採用活動において学生が興味を持ってくれるように業務内容を紹介する動画を作成し、従業員がブースで業務を実演するなどの工夫をすることで、良い点・悪い点をありのままに伝えて、同社の魅力に共感してくれる人材を採用しています。

 このように、中小企業が若手人材を確保するためには、若者の目線に立ちつつ、求める人材の明確化を図るとともに、学生に自社のありのままの魅力を分かりやすく伝える取組みを経営者や人事担当者だけでなく、全社的に行うことが求められるのです。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供:ゆりかご倶楽部


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