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2017年5月の税務トピックス 賃上げを促すための所得拡大促進税制の見直し

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賃上げを促すための所得拡大促進税制の見直し

はじめに
 平成29年度税制改正では、従業員の賃金の上昇及び雇用の拡大を行った企業に対する賃上げインセンティブを与えるための税制(いわゆる所得拡大促進税制)について、

@大企業の賃上げ率2%以上基準の設定、

A新設法人に対する規制、

B賃上げ率2%以上の場合の特別税額控除額の上乗せが行われました。

 本稿は、所得拡大促進税制の改正の内容について解説します。

T 改正前制度の概要(措法42の12の4@)

 青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、

@基準年度と比較して5%(中小企業者等:3%)以上(平成29年度)給与等支給額が増加していること、

A雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること、

B平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回ること、

のすべて適用要件を満たすときには、その雇用者給与等支給増加額の10%相当額の特別税額控除ができます。

 ただし、特別税額控除額については、当期の法人税額の10%相当額(中小企業者等については、20%相当額)が限度(以下「税額控除限度額」といいます。)とされます。


U 改正の内容

1 大企業の賃上げ率2%以上基準の設定(新措法42の12の5@二ロ)

 中小企業者等以外の法人について、平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えることとの要件が、平均給与等支給額から比較平均給与等支給額を控除した金額(以下「平均給与等支給増加額」といいます。)のその比較平均給与等支給額に対する割合が2%(いわゆる賃上げ率2%)以上であることとの要件に見直されます。


2 新設法人に対する規制(新措令27の12の5Q)

 中小企業者等以外の法人の平均給与等支給額に係る要件につき、比較平均給与等支給額が零である場合には、その要件を満たさないこととされます。

3 特別税額控除額の上乗せ(新措法42の12の5@)

 特別税額控除額について、賃上げ率2%以上である場合には、雇用者給与等支給増加額の10%と雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%(中小企業者等:12%)との合計額(図表参照)とされます。


V 適用関係(平成29年改正法附則61)

 上記Uの改正は、法人の平成29年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用され、同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については、なお従前の例によります。


おわりに
 所得拡大促進税制は、企業の内部留保などの「眠れる資産」を従業員給与等として分配することによって、個人の所得水準の改善を通じた消費・投資の喚起を推奨するための制度とされています。

平成29年度税制改正では、企業に更なる賃上げインセンティブを与えることによって、賃上げ率2%以上の企業への支援が強化されました。

 しかし、所得拡大促進税制を適用している企業の多くは、税額控除限度額の足切りによって特別税額控除額の枠を使い切っていない現況にあると思われます。

特別税額控除額が上乗せされても、税額控除限度額が拡大されなければ、実務上では意味がないと私考します。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部







国税庁HP新着情報
5月15日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成29年5月12日

●平成29年度 法人税関係法令の改正の概要(平成29年5月)について



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