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【時事解説】経済成長を抑制する消費形態の変化

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 経済成長が伸びない原因の一つに消費形態の変化があります。

かつては、モノを消費するためには、専門の事業者から新品のモノを購入して、個人の占有物とすることが暗黙の前提でした。

ところが、現在では、その暗黙の前提が崩れかけています。

 最近、一人暮らしの若者を中心にシェアハウスが拡大しています。

一人で住居を借りれば、確かに自由度は高まりますが、一人で住居全体を使うわけではないとすれば、経済的に見れば無駄です。

そこで、一つの住居を数人でシェアして借りようというのです。

共同で借りれば、使用勝手の自由度は狭まりますが、住居全体の有効性は高まります。

また、車も共同で利用するカーシェアが急速に普及しています。

車も一日中使っているわけではないので、共同で使えば車利用の有効性は高まります。

 シェアハウスやカーシェア普及の背景には、消費における利用目的の明確化ということがあります。

それは当然のことのように聞こえるかもしれませんが、以前はそうではありませんでした。

車に典型的に見られるように、いい車を所有しているということがある種の価値を持っていました。

だから、多少無理をしても若者はローンを組んで自分で車を所有しました。
いわば、「見栄の消費」です。

それが車の生産台数を増やし、経済成長率を高める一因となっていたのです。

しかし、車を移動のための手段と割り切れば、何も自分一人で占有的に所有する必要はなく、幾人かで共同利用した方が効率的です。

「見栄の消費」がなければ、車の販売台数は減りますから、当然経済成長にはマイナスに作用します。

 さらに最近の消費形態の大きな変化に、ヤフオクなどのネットオークションやホテル代わりに個人の住宅の一室を貸すエアビーアンドビーなども挙げられます。

オークションは自分が使わなくなった品物を他人に売却するものですし、エアビーアンドビーは空いている部屋を旅行者などに貸すものです。

どちらも個人が最終ユーザーに直接販売するのが大きな特徴です。

 これまでは消費者である個人が片手間に事業を行うハードルはとても高いものでした。

売りたいモノ、貸したいモノが手元にあっても、個人が所有するわずかのものを幅広く世の中に営業展開する方法を持たなかったからです。

しかし、ネットの普及は個人の営業展開コストを劇的に引き下げました。

従来であれば、消費者は事業を行う専門の事業者から高い新品を買うしかなかったのですが、消費者同士の安い中古品の直接取引がネットを媒介して可能になったのです。

事業者を通せば、経済成長の統計に表れますが、零細個人の事業収益は経済成長にカウントされません。

 このように、利用目的の明確化によるモノの共同消費やネットの普及による中古品市場の拡大は、経済統計に表現される経済成長を抑制します。

しかし、経済成長率は鈍化しても、住むための住居、移動するための車、着るための衣服、泊まるための部屋といった消費者の効用は決して減少していません。

 経済をGDP(国内総生産)の成長率で測る時代は過ぎ去ったと考えるべきなのかもしれません。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供:ゆりかご倶楽部







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