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2017年7月の税務トピックス 経営力向上設備等に係る償却資産税の特例の拡充

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経営力向上設備等に係る償却資産税の特例の拡充

はじめに
 平成28年度税制改正では、経営力向上計画の認定を受けた経営力向上設備等に該当する新品の機械装置に係る償却資産税が最初の3年間、課税標準となるべき価格の1/2に軽減される、いわゆる償却資産税の特例(以下「本特例」といいます。)が創設されました。

 平成29年度税制改正では、中小・小規模事業者の「攻めの投資」を後押しするため、地域・業種を限定した上で、本特例の対象資産が拡充されることとなりました。

 そこで本稿では、改正された本特例の概要と実務上の留意点について解説します。


T 対象資産の拡充
1 適用要件(新地方法附則15-43)

 中小事業者等が平成29年4月1日から平成31年3月31日までに中小企業等経営強化法に規定される認定経営力向上計画に基づき経営力向上設備等に該当する機械装置、工具(測定工具及び検査工具に限ります。)、器具備品及び建物附属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除きます。)(以下「機械装置等」といいます。)で、一定の規模以上のものを取得した場合には、その機械装置等に対して課される固定資産税の課税標準は、その機械装置等に対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分の固定資産税に限り、その機械装置等に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の2分の1とされます。


2 経営力向上設備等の範囲(新地方規附則6-74〜76,強化法13C,強化規8)

 前述した1に掲げる「経営力向上設備等」とは、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する施設、設備、装置又はプログラムであって、経営力向上に特に資する@及びAの要件を満たす機械装置、工具(測定工具及び検査工具に限ります。)、器具備品並びに建物附属設備(償却資産として課税されるものに限ります。)とされます。

@ 販売が開始された時期に係る要件
 販売が開始されてから、機械装置:10年以内、工具:5年以内、器具備品:6年以内、建物附属設備:14年以内のものであること。

A 経営力向上要件
 旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上するもの。


3 取得価額要件(新地方令11)

 前述した1に掲げる「一定の規模以上のもの」とは、機械装置(1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの)、工具・器具備品(1台又は1基の取得価額が30万円以上のもの)及び建物附属設備(一の取得価額が60万円以上のもの)の設備の区分ごとに取得価額要件が設けられています。


U 地域・業種の限定(新地方規6附則75三,同76三,平成29年3月31日総務省告示132)

 「地域・業種の限定」とは、「最低賃金が全国平均未満の地域にあっては全ての業種、最低賃金が全国平均以上の地域にあっては労働生産性が全国平均未満の業種」に限定するものとされます。

 具体的には、平成29年度税制改正により新たに追加された工具(測定工具及び検査工具に限ります。)、器具備品及び建物附属設備については、@7都道府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府)では対象業種が限定され、Aその他40道県では全業種対象とされます。

 なお、機械装置であれば全国・全業種対象とされます。


おわりに
 経営力向上設備等を取得し、その設備について本特例の適用を受けるためには、原則として

@工業会証明書を取得後、

A中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、

B対象設備を取得するという手続きが必要とされます。

 ただし、経営力向上計画の申請に先立って計画を開始し、経営力向上設備等を取得した後に経営力向上計画を提出する場合には、例外として

@工業会証明書を取得後、

A対象設備を取得、

B設備投資後60日以内に経営力向上計画が受理される必要があります。

この場合において、償却資産税の賦課期日は毎年1月1日であることから、本特例の適用を受けるためには、遅くともその設備を取得した年の12月31日までに経営力向上計画の認定を受ける必要がありますので留意して下さい。

 なお、国税における経済産業局による「投資利益率に関する確認書(B類型)」は、本特例の適用のためには利用できませんので、別途、工業会証明書が必要となります。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部


マルチーズのみずき




国税庁HP新着情報
7月14日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成29年7月13日

●「国税庁所定分析法と異なる測定方法で合理的かつ正確であると認められる方法」に係る国税庁ホームページの変更について



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