民間税制調査会は、2018年度税制改正に対する見解を公表しました。
それによりますと、2018年度税制改正において給与所得控除を見直し、年収850万円超の会社員等を増税する一方、自営業者等が減税となる所得税改革については、給与所得控除の上限やその適用される収入金額などが明確な根拠もなく決定したと指摘しております。
今般の個人所得課税の見直しは、働き方改革などもっともらしい政策目的を掲げているものの、所得課税やその控除をどのように見直すかという基本的な戦略を欠いたものであると指摘しております。
基礎控除については、合計所得金額2,400万円超で控除額が逓減を開始し、2,500万円超で消失する仕組みに見直されますが、所得控除方式から税額控除方式に切り替えることで控除の恩恵の平準化は図られることから、本来、人的控除の適用に(納税者本人の)所得制限は設けるべきでないと指摘しており、所得控除のメリットである簡便さを放棄して消失型の所得控除にするならば、税額控除を全面的に採用する方向もあると提言しております。
また、森林環境税については、既に類似の税金が多くの自治体の法定外税として導入されており、例えば、長野県の森林税などは積み残し税額がすでに5億円にも達し、森林税の廃止までが提唱されており、こうしたなかで、このような税を「国税として徴収する意味が本当にあるのか疑わしい」との疑義を呈しており、導入を再検討すべきとし、仮に実施したら3年後にその成果を検証し、国民に選挙で問うべきだと主張しております。
そして、「選挙で税制改正の争点を出して、きちんと争うべき」ことと「増税の必要性を、政治家(特に与党)は責任を持って主張すべき」ことも強く主張しております。
民間税制調査会とは、大学教授や弁護士等で構成され、税制を主権者である納税者の目線から分析し、提言する研究政策提言集団で、政府による税制改正の説明は分かりにくく問題も多いとして、2018年度税制改正についても、重要なテーマに絞って、国民のための税制改革を提言するとしております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
記事提供:ゆりかご倶楽部
参考URL
■国税庁HP新着情報
■財務省 各年度別の税制改正の内容
□総務省 税制改正(地方税)
■ご意見箱 財務省 |
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