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2018年5月の税務トピックス 特定一般社団法人等に対する相続税の課税の創設

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特定一般社団法人等に対する相続税の課税の創設

はじめに
 一般社団法人等は、登記だけで簡単に設立でき、持ち分が存在しないことから、一族が支配する一般社団法人等に財産を移転した後、理事の交代によって子及び孫に支配権を移転し、その財産の承継を行ったとしても相続税が課税されませんでした。

 平成30年度税制改正では、適正・公平な課税を実現し、税制に対する国民の信頼を確保する観点から、一般社団法人等に財産を移転することによる課税逃れを防止するために同族関係者が理事の過半を占める、いわゆる特定一般社団法人に対して相続税が課税(以下「本特例」といいます。)されることとなりました。

 そこで、本稿では、本特例の概要と実務上の留意点について解説することとします。

T 制度の概要(新相法66の2@,新相令34C)

 一般社団法人等(公益社団法人、公益財団法人、非営利型法人又は特定目的会社その他一定のものを除きま。)の理事である者(一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含みます。)が死亡した場合において、

その一般社団法人等が特定一般社団法人等に該当するときは、その特定一般社団法人等が、その死亡した者(以下「被相続人」といいます。)の相続開始の時におけるその特定一般社団法人等の純資産額をその時における同族理事の数に1を加えた数で除して計算した金額に相当する金額をその被相続人から遺贈により取得したものとみなして、その特定一般社団法人等に相続税が課税されます。


U 用語の定義

1 特定一般社団法人等の定義(新相法66の2A三)

次に掲げる要件のいずれかを満たす一般社団法人等とされます。

@ 相続開始の直前における同族理事数の総理事数に占める割合が2分の1を超えること。

A 相続開始前5年以内において、同族理事数の総理事数に占める割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であること。


2 同族理事の定義(新相法66の2A二,新相令34B)

 一般社団法人等の理事のうち、被相続人、その配偶者又は3親等内の親族その他その被相続人と特殊の関係がある者(被相続人が会社役員となっている会社の従業員等)とされます。


3 純資産額の算定方法(新相令34@A)

 特定一般社団法人等の純資産額の算定は、@に掲げる金額からAに掲げる金額を控除した残額とされます。

@ 被相続人の相続開始の時において特定一般社団法人等が有する財産(信託の受託者として有するもの及びその被相続人から遺贈により取得したものを除きます。)の価額(注1)の合計額(注1)財産の価額は、被相続人の相続開始の時における時価とされます。

A 次に掲げる金額(注2)の合計額
イ.特定一般社団法人等が有する債務であって被相続人の相続開始の際に現に存するもの(確実と認められるものに限るものとし、信託の受託者として有するものを除きます。)の金額

ロ.特定一般社団法人等に課される国税又は地方税であって被相続人の相続開始以前に納税義務が成立したもの(その相続の開始以前に納付すべき税額が確定したもの及びその被相続人の死亡につき課される相続税を除きます。)の額

ハ.被相続人の死亡により相続人その他の者がその被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した給与の額

ニ.被相続人の相続開始の時における特定一般社団法人等の基金の額
(注2)債務の金額は、その時の現況とされます。


V 適用関係(平成30年度改正法附則43@DE)

 前述したTの改正は、平成30年4月1日以後の一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用されます。

 ただし、平成30年3月31日以前に設立された一般社団法人等については、平成33年4月1日以後のその一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用され、平成30年3月31日以前の期間は前述したU1Aの2分の1を超える期間に該当しないものとされます。


おわりに
 本特例により特定一般社団法人等に相続税が課税される場合には、その相続税の額から、贈与等により取得した財産について既にその特定一般社団法人等に課税された贈与税等の額が控除できることとされます(新相法66の2B,新相令34I)。


税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹


記事提供:ゆりかご倶楽部





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