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経済産業省が平成21年度税制改正について意見

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 このほど経済産業省が公表した「平成21年度経済産業省の概算要求等」において、「平成21年度税制改正に関する経済産業省意見」が明らかになっています。

 例年、8月から9月にかけて、各省庁や各種経済団体、業種団体などから翌年度の税制改正に対する意見や要望が出てきます。

そのなかでも、経済産業省の税制改正に対する意見は、企業活動と深く関わる項目が多いため、毎年注目されているものです。

 昨年度においても、研究開発促進税制の延長、拡充や人材投資促進税制の拡充、エンジェル税制の拡充などが経済産業省から意見として出され、税制改正に盛り込まれました。

また、同じく意見として出された「非上場株式などの相続税評価額を80%減額(猶予)する」措置についても、平成21年度税制改正で実現される見込みです。

 ただ、今回公表された「平成21年度税制改正に関する経済産業省意見」を見ると、それほど大きな税制措置は見当たらないようです。

◆世界経済の成長の果実の取り込みと国内の豊かさに結びつける好循環の確立
・海外子会社利益の国内還流の障害を取り除く国際租税改革
・産業活力再生特別措置法関連税制の延長等
・ファンドを通じた海外からの投資資金をベンチャー育成や事業再生等に呼び込む税制の創設
・オープンイノベーション促進のための研究開発関連税制の延長等
・確定拠出年金制度におけるマッチング拠出の容認等

◆資源高時代に対応した低炭素社会の実現
・原材料価格高騰に対応した産業構造調整の促進
・自動車関係諸税のグリーン化
・省エネ住宅への住宅ローン減税の拡充

◆地域・中小企業の活性化等
・中小企業の事業承継税制の確実な制度化等
・地域コミュニティを担う商店街の活性化に向けた税制支援
・中小企業の地力の強化・新たな事業活動展開の支援税制の延長等
・長期保有土地等の事業用資産の買換えに対する課税の特例の延長
・企業立地促進税制の延長・拡充

 このうち、「中小企業の事業税制の確実な制度化等」では、前述の「非上場株式などの相続税評価額を80%減額する」措置の成立を前提に、
(1).相続人の死亡以外で猶予税額が免除される場合の具体化、
(2).株式の生前贈与を通じた早期の事業承継に向けた取組の促進、
(3).株式の信託を活用した事業承継に係る環境整備などが提案されています。

 また、検討事項として、法人実効税率の在り方について「総合的に検討する」ことが提案されています。これについては、参考として先進国の平均税率が27.3%に対し、日本(東京)は40.7%であることや、世界的に法人税率が引き下げ競争にあることなどが示されており、実質的には法人実効税率を引き下げる方向の示唆とも考えられます。

 そのほか、一般財源化が議論されている「道路特定財源」などについても検討事項とされました。


参考URL
平成21年度経済産業省の概算要求等について




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