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不動産の損益通算 税法遡りは合法

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 土地や建物の損益通算を廃止した租税特別措置法を施行日前にさかのぼって適用したことが憲法に違反するかどうか争われていた裁判で、東京高裁はこのほど「遡及適用は合理性がある」とした東京地裁の判断を支持しました。

 損益通算廃止を定めた租税特別措置法31条(改正措置法)は、平成16年4月1日に施行されましたが、適用は「同16年1月1日以降の譲渡から」(改正附則27条)とされました。

しかも、損益通算廃止案は同15年12月の税制改正大綱公表間際になって急浮上したため、ほとんどが損益通算廃止の情報を知らないまま期限切れに。

 その結果、改正附則27条は憲法84条(租税法律主義)に違反し、納税者の予測可能性を侵害するとし、遡及適用を受けた納税者が裁判を起こしたのです。

 二審の東京高裁では、「改正附則27条が遡及立法であるかどうか」について、所得税は暦年の終了時に納付義務が成立する期間税であり、暦年終了時には改正法はすでに施行されているのだから「厳密には遡及立法にはあたらない」とし、そのうえで遡及適用が認められる合理的な理由があるかどうかを検証。

「租税法の成立については(中略)立法府の政策的、技術的な判断にゆだねるほかはなく、裁判所は、基本的にはその裁量的判断を尊重せざるをえない」(最高裁昭和60年3月27日大法廷判決)との前提に立ち、改正措置法を暦年途中から適用した場合、同じ暦年において取扱いが異なることで不平等が発生するとし、さかのぼり適用には合理性・必要性があったと判示しています。

 さらに注目すべきは、保護されるべき予測可能性についての判断。

高裁では「租税法規の改正に当たっては、納税者個人の予測可能性を完全に充足することまでは要求されていない」としていることです。

 控訴棄却を受け、控訴人らは上告。
憲法に定める租税法律主義の解釈にまで及んだ争いの舞台は、最高裁にコマを進めました。


(エヌピー通信社)


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