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利益の計算の仕方が変わる!?

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 貸借対照表や損益計算書を作成する際の会計基準をめぐる国際的な動きが活発化しています。
国際会計基準(IFRS)による会計基準の国際的統一化の潮流が明確になってきたのです。

 会計基準の国際的統一の背景には、年々国際化している企業活動の一方で、その企業活動を表す財務諸表が各国で異なる会計基準により作成されており、世界中の投資家が企業の業績を適切に理解、比較ができないという問題がありました。

 国際会計基準は、欧州を中心に100カ国以上が採用し、現在、独自基準を設けている米国も2008年11月に導入の方向でロードマップ案を公表しており、日本としても2012年頃には導入を決定すべく作業を進めています。

 この国際会計基準の日本基準と比べた場合の大きな特徴の一つとして「利益の計算の仕方」が挙げられます。

 日本基準における利益の計算の仕方としては、ご存知のとおり、「収益−費用」というロジックで計算するが、国際会計基準では期首と期末の「資産−負債」の増加で利益を計算します。
しかも、この資産と負債については、時価評価を行って計算するのです。

 いわゆる「資産負債アプローチ」という方法で利益を計算するのですが、この一定期間に増えた利益を「包括利益」と呼び、企業が一定期間に稼ぎ出したいわゆる「純利益」に企業が保有する資産・負債の評価損益を含んだ利益概念となっています。

 資産・負債の評価損益についてもう少し詳しく述べると、海外子会社の資産・負債の為替換算による変動や持ち合い株式の含み損益、年金の積み立て過不足などがあり、特に、持ち合い株式を多く抱える日本の上場企業にとって「包括利益」は大きな意味をもちます。

 現状、日本基準において持ち合い株式の評価損益は、直接貸借対照表に計上され、損益計算書を通さないため、企業収益の指標である利益にはこれが反映されず、状況によって持ち合い株式の売却による「益出し」という行為が行われました。

 このような行為は、企業の思惑で利益を調整することにつながり、投資家にとっての判断を惑わせることになるのですが、「包括利益」は、資産の含み損益を含めて表示するので、こうした企業の操作を無意味にする点で優れているといえます。

 また、企業業績が保有する株式や不動産などの市場動向によって大きく触れやすいという面や本業で稼いだ利益と株式や不動産などの評価損益などが混ざってしまうという面の指摘もありますが、企業の総合的な収益力をフローとストックの両面で表すという高い次元での理解や「包括利益=純利益+その他包括利益」という区分表示のルールが確立されれば、そういった問題も解決されると考えられます。

 受取配当金や年金の積み立て過不足の取り扱いなど、まだまだ不透明な部分もあるが、日本基準における国際会計基準との早期コンバージェンス(共通化)、導入が望まれます。

(記事提供者:アタックス 伊藤彰夫)


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