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今月の税務トピックス

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 T 前月までに発布された法令等

 ○「成年後見人制度と税理士」

 平成21年度税制改正において「相続税の納税猶予制度」(措法70の7の2)が成立し、施行されました。

同制度と成年後見人制度の関係については、
@円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)の認可の取消しと成年後見人制度、
A成年後見人制度の中の後見監督人と税理士業務、の2つの点について述べます。

 1.円滑化法の認可の取消しと成年後見人制度、相続税の納税猶予制度は、円滑化法に基づき経済産業大臣の認可を前提として行われます。

しかし同制度適用後5年間は、経営承継期間として毎年当該経営状態の報告(経営承継相続人等が代表者として経営しているか、特例非上場株式等はそのまま保有されているか及び雇用の8割以上は維持されているか、以下「三要素の報告」といいます。)をしなければならないとされています。

 ところで経営承継期間(5年間)の中で代表者の退任は、法足退任事由(精神障害者保健福祉手帳一級及び身体障害者手帳一級・二級の交付を受けたこと、並びに要介護認定五を受けたこと、その他これらに類するもの)に該当しなければ代表者の退任は認められないことになっています(円滑化法規則9)。

 すなわち、法定退任事由は「日常生活全般について全面的な介助が必要で、意志の伝達も困難」という重症者についての手当てであり、それ以外の「金銭管理や計画的で適切な買い物は援助なしにはできない(精神障害保健福祉手帳二級)」は、法定退任事由に該当しないことになります。

 したがって、法定退任事由に該当しないのに代表者を退任した場合には、円滑化法による認定の取消し事由に該当し、相続税の納税猶予の全額が取消され納付(利子税も併せて)しなければならないことになります。
ここにこれらに対応する「成年後見人制度」を検討する必要があります。


2.成年後見人制度の中の後見監督人と税理士業務

 成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度の2つから構成されています。

 法定後見制度は、家庭裁判所の審判の基に行われる制度であり、高齢者の判断能力の程度により法定後見人、法定保佐人及び法定補助人が選任され、日常の業務を行い、その業務の適正性を監督するために後見監督人を設け家庭裁判所に報告させることとしています。

 他方、任意後見制度は、公正証書を基とした任意後見契約書による日常業務を後見人が行い、その適正化を家庭裁判所が選任した任意後見監査人を軸として行うとしたものです。

 その日常業務は、
@法律行為、A生活療養看護事務、B財産の管理事務の3つです。

したがって、日常業務は各々事務所を有している税理士には難しいが、この業務は中小企業の日常業務と類似した点が多く、また後見監督人がこれらの適正化を監督・調査し又は報告する業務は、税理士の税務と類似しているのではないかと考えられます。

さらに後見監督人の業務を法人が行えるようになったことから税理士法人にも進出の途が拡がったということができます。

 それらを考慮し、納税猶予の経営承継期間(5年)内に代表者の判断能力の低下があっても法定退任事由に該当しない場合には、税理士が成年後見制度を採用し、自らは後見監督人として「三要素の報告」も行い、事業円滑化に貢献することは税理士の適切な業務と判断されます。
 

U 10月の税務
 10月末の申告事務は、11月2日(月)になります。また、11月・12月と年末にかけて税繁忙期になりますので暑かった夏の仕事の遅れを10月に取戻して税繁忙期への準備月として下さい。


法学博士・税理士右山昌一郎


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人間中心のTAXを見つめています