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在宅勤務と制度制約

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多様な勤務形態

 徒歩通勤者の職員に対して通勤手当を支給している自治体が274にのぼり、うち通勤距離が2km未満にも手当を支給している自治体が244と全自治体の約8%を占めているという調査報告があります。

公務員の勤務形態の多様化も検討されている折柄、在宅勤務になってもこの支給は続けられるのかと疑問がわきます。

■在宅勤務化がトレンド

 NTT、NEC、全日空、Panasonic、富士通、特許庁などの大がかりな在宅勤務制度の導入情報が報告されています。

 在宅勤務者にはインターネットやFAX等の利用料金や電気代、さらには家賃の一部を会社が負担しているケースもあるようです。

ところで、これら会社負担が現物給与であるか否か、課税給与とされるか否か、社会保険の月額報酬に含まれるか否かについては、要検討事項です。

課税関係情報は揺れている

 自宅兼事務所を所有している事業者の家事関連費の考え方と同様に、様々な明細書等をもとに業務に相当する費用であると証明できる場合には課税給与と取扱わなくてもよい、との情報があります。

 また、会社管理のパソコンやプリント用紙やインクなどが現物支給された場合は会社の備品消耗品の処理にとどまるが、電気代や通信費など現物支給ができないものについて金銭で補てんしたとすれば、給与扱いとなる、との情報もあります。

■社会保険はもっと不確定

 標準報酬(給与)月額の対象となるものとしては課税情報の後者の扱いと同じと言って差し支えないだろうが、それ以前に、そもそも在宅勤務者は労働者か、と問われるようです。

 指揮監督、時間拘束、労働代替性、賃金労務対償性、機械・器具が会社より無償貸与、などを総合判断し、労働者性の濃淡の状況により被保険者になれない場合があります。

■政策制度間の齟齬

 一方で、勤務形態の多様化を唱えながら、他方でそれに邪魔立てするような制度になっている、というこの実態は、珍しいことではなく、縦割り行政の硬直化として日本の中の普遍的現象ともいえます。

 政権公約で解消してほしいところです。


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