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今月の税務トピックス 「後入先出法」及び「単純平均法」の廃止

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T 前月までに発布された法令等
 ○「後入先出法」及び「単純平均法」の廃止

 平成21年度法人税法改正で、棚卸資産の評価について選択できる評価方法から「後入先出法」及び「単純平均法」が除外(廃止)されました。

 この改正は、平成21年4月1日以降に開始する事業年度から適用されることになっています(改正法令附則2)。

 したがって、10月に中間で仮決算を行う法人に適用されますので、その廃止の経緯と評価方法の変更に係る留意点について事前に説明しておくことにします。

1.「後入先出法」等の改正について

 後入先出法については、すでに平成20年9月26日付で、企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」 (以下「新基準」といいます。)により改正され、企業会計基準上は廃止され、次の4つの方法により期末棚卸資産の評価を行うこととされています。

 @個別法 A先入先出法 B平均原価法(総平均法又は移動平均法) C売価還元法
 
 後入先出法が廃止された理由については、次の2つの理由から「不合理な評価方法」と判定されたことによるものです。

 @後入先出法によると、貸借対照表価額に古い棚卸資産価額が残ることになり、最近の「再調達原価」の水準と大幅に乖離してしまう可能性があること。

 A棚卸資産の期末残高が、期首残高を下回る場合には、期首棚卸が払い出されたことになり、期間損益計算から排除されてきた「保有損益」が当期の損益計算書に計上されることになる。

2.法人税法の改正について

 この新基準を受けて、法人税法においても次の改正が行われました。

 @ 法人税法における棚卸資産の評価方法について「後入先出法」及び「単純平均法」 (商品単価を基としての評価であるから合理性がない)が除外され、前述の会計基準の4つの方法に「売価還元法」が加わって5つの方法となった(法令28@−)。

 A したがって、後入先出法及び単純平均法から法人税法の5つの方法に変更した事業年度における差益(「変更後の期末評価額」−「変更前の期末評価額」=「変更差益」)については、確定申告書に書類を添付した場合に限り分割して「7年均等」で益金に算入する(改正法令附則6CF)。

 B なお、平成21年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する事業年度においては、帳簿記載を要件として後入先出法、単純平均法による評価を税務上も認めることとしている(改正法令附則E@)。

 これらの改正にしたがって、棚卸資産の評価方法の変更を行うわけですが、変更手続きは「移行年度」の確定申告書に「新評価方法に関する届出書」を添付した場合には、それをもって変更承認申請書とみなして取り扱われることになります(改正法令附則6A)。

 これらのことを踏まえて、今後の棚卸しに臨みくれぐれも不知による法人税更正処分を受けないように留意して下さい。

 U 9月の税務
 7月の国税庁内の配置換え又8月の夏休みが終わり、税務調査が多くなる月です。


ゆりかご倶楽部

エッサムファミリー会 会報(平成21年9月号)より

法学博士・税理士右山昌一郎



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