T 平成22年1月までに発布された法令等
○ 民主党 平成22年度税制改正大綱の公表
平成22年度税制改正大綱(以下、単に「大綱」といいます。)は、昨年12月22日に民主党において取りまとめられた後に首相に答申され、その後政府は直ちに閣議決定を行い、大綱が正式決定され、同日に公表されました。
大綱の内容は多岐にわたっていますが、社会福祉・納税共通番号を基として施行される扶養控除等の将来改正もあります。
しかし、紙数の関係もありますので、とりあえず平成22年度に適用される主要な国税の改正点のみについて述べることにします。
1.法人課税
(1) グループ法人税制の見直し
@ 平成22年4月1日以後開始事業年度から適用されるもの
ア.資本金の額等が5億円以上の100%子法人は、中小企業特例措置(軽減税率等)は適用しない。
イ.100%グループ内の内国法人からの受取配当については、全額益金不算入とし、負債利子控除を適用しない。
ウ.連結納税における連結子法人の欠損金を繰越控除の対象とする。
A 平成22年10月1日以後の取引等から適用されるもの
ア.100%グループ内法人間の取引については、譲渡損益、寄附金、現物配当、みなし配当等について課税の繰延べ等を行う。
イ.連結納税の承認申請書の提出期限等についての改正を行う。
(2) 特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度
平成22年4月1日以後終了事業年度から廃止される
(3) 法人税関係の租税特別措置
@ 適用期限が延長されたもの
中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入(30万円未満の特例)、交際費等の中小法人に係る特例(600万円)等が2年間延長される。
A 適用期限で廃止、縮減されたもの
情報基盤強化税制等が廃止され、投資促進税制等は、一定のものを除外し延長される。
2.資産課税
(1) 住宅資金贈与の拡充
現行の非課税特例500万円が、平成22年中の住宅取得資金の贈与を受けた場合には1,500万円( 平成23年は1,000万円)と拡充される。
ただし、受贈者に所得金額2,000万円という所得要件が付される。
(2) 小規模宅地特例の見直し
相続人等が相続税の申告期限までに事業又は居住を継続しない宅地等(現行200uまで50%減額)を適用対象から除外する改正(平成22年4月1日以後に取得するものから適用)が行われる。
(3) その他
定期金評価の適正化及び事業承継税制の一部見直しが行われる。
3.納税環境整備
(1) 罰則規定の強化
脱税犯・秩序犯等に係る罰則が、おおむね2倍に引き上げられる(平成22年6月1日以後の違反行為から適用)。
U 2月の税務
2月16日から3月15日まで所得税確定申告期に突入し最も忙しい時期を迎えます。同時に贈与税の申告もありますので注意して下さい。なお、その間に税理士記念日(2月23日)もありますので忘れないで下さい。さらに平成21年分所得税確定申告から「上場株式に係る損益通算(株式譲渡損失と配当との通算)」ができることに留意して下さい。
法学博士・税理士右山昌一
エッサムファミリー会 会報(平成22年2月号)より
ゆりかご倶楽部
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