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平成23年5月の税務トピックス
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T 平成23年4月までに発布された法令等

 ○「租税特別措置法のつなぎ法案」について

 平成23年度税制改正法案としての「所得税法等の一部を改正する法律案」は、国会における与野党の年度内における合意ができないことから当該法案について、

野党としての自民党・公明党の議員が「つなぎ法案」を提出し、平成23年3月31日に可決・公布されています。
 
 当該つなぎ法律の正式名称は「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律」であり、

同法案は議員立法(議案提出者・野田毅君外三名)として平成23年3月22日に国会に提出され、同年3月29日衆議院で可決されています。

その後参議院に付託され同年3月31日に可決成立し、同日付で法律12号として公布されています。

 この法律は、平成23年3月31日で効力が消滅する法律(以下「日切れ法律」または「旧措置法」といいます)又新たな法律が創設される予定であった租税特別措置法(以下単に「措置法」といいます。)が成立しない関係から旧措置法を消滅させずに同年4月1日から6月30日までの3か月間旧措置法の効力のまま期限のみをつないで国民生活等の混乱を回避するというのが「つなぎ法律」の考え方です。

1. 「つなぎ法律」の内容

  (1) 所得税関係
   エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除等の「措置法第2章・所得税法の特例」の中の日切れ法律が3か月延長されます。

  (2) 法人税関係
   中小企業者等の法人税率の特例等の「措置法第3章・法人税法の特例」の中の日切れ法律が3か月延長されます。

  (3) 登録免許税関係
   住宅用家屋の所有権の保存登記の軽減等「措置法第5章・登録免許税の特例」の中の日切れ法律が3か月延長されます。

  (4) 酒税関係
   入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例の期限(措置法87の5)が3か月延長されます。

  (5) たばこ税関係
   入国者が輸入する紙巻たばこ税の税率の特例の期限(措置法88の2)が3か月延長されます。
  (6) 石油石炭税関係
   特定の重油を農林漁業の用に供した場合の石油石炭税の還付等の期限が3か月延長されます(措置法90の4、90の4の2、90の6、90の6の2)

  (7) 航空機燃料税関係
   特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例の期限(措置法90の9)が3か月延長されます。

  (8) 印紙税関係
   不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例の期限(措置法91)が3か月延長されます。

 なお、地方税法についても「国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律」が同様に、事業税関係、不動産取得税関係及び事業所税関係の日切れ法律について、

各々平成23年4月1日から同年6月30日までの3か月の期限のみを延長することとされています。



法学博士・税理士右山昌一郎


記事提供:ゆりかご倶楽部



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