日本経団連は、「2012年度税制改正に関する提言」を発表しました。
それによりますと、国民の多くが抱く将来不安、閉そく感を払拭し、再び経済を成長軌道に乗せ、豊かで明るい国民生活を実現するためには、
民主導の経済成長に向けた政策をタイムリーかつ着実に進めつつ、社会保障と税・財政の一体改革を、
スピード感をもって、推進することが不可欠であり、経済構造の変化に対応した税体系の再構築を急ぐ必要があるとしております。
また、復興財源と2012年度税制改正における残された課題として、
第3次補正予算の所要額を十分精査し、無駄の排除や効率化に資する行政改革への取組み及び税外収入の確保に最大限努めることが必要だとしております。
財源が足りない場合は、復興基本法で規定された復興債の発行により調達する、
復興債の償還財源は基幹税(消費税、所得税、法人税)を中心に、特定の税目に偏らないようにすべきであり、消費税を選択肢として排除すべきではないとしております。
また、震災後、サプライチェーン問題によるシェア低下、復興政策の遅れ、全国的な電力供給の制約、円高の進行等を背景に、
法人実効税率の引下げの必要性は益々高まっており、まずは法人実効税率の5%引下げを早急に実現すべきと主張しております。
もし、復興財源として法人税の負担増を行うのであれば、法人実効税率5%引下げに伴うネット減税分を限度として、
付加税を時限的に課すか、施行を一定期間遅らせる方式をとるべき(いずれも3年以内)と主張しております。
2012年度改正では、消費税を社会保障給付費に充てる方針を明確化した上で、
2015年度までに10%まで段階的に引き上げ、2020年代半ばまでに10%台後半に引き上げることを要望しております。
法人実効税率の5%引下げの先行実施とともに、早期に法人実効税率を30%まで引き下げ、
さらにアジア近隣諸国並みの25%程度まで速やかに引き下げるべきで、個人所得課税では、給付付き税額控除を導入し、子育て世帯や低中所得層を重点的に支援すべきと主張しております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成23年10月18日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
記事提供:ゆりかご倶楽部
|
|
|