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HOMECONTENTSタックスニュースタックスニュース平成24年タックスニュース 2012.01.27


中小企業の海外生産展開

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 国内の景気低迷や新興国市場の立ち上がりを受け、日本の大手完成品メーカーは、部品調達先を新興国などから行う、いわゆる「現地調達」へとさらにシフトさせています。

そのため、日本国内に生産拠点を有する中小部品メーカーにおいては売上・受注の低迷・減少が加速しています。

 つまり、日本のものづくりのあり方も、従来の「フルセット型産業構造」から「アジア諸国との分業構造」に移行しつつあるといえるでしょう。

 こうした状況を受け、経済産業省では「素形材産業ビジョン」(素形材産業(鋳造業、鍛造業、金属プレス業、金型製造業等)が「目指すべき方向性」や、政府・業界団体・関係企業等のそれぞれの関係者に「求められる取組」等について)を策定・公開しています(2010年6月に「素形材産業ビジョン(追補版)」も公開されました)。

 そこで示されたビジョン項目のひとつに、「海外で儲ける仕組み」の強化、すなわち海外需要を取り込む生産体制を構築することがあげられており、今後、日本の中小部品メーカーにおいても海外生産を視野に入れた事業展開を行うことの重要性が謳われています。

 実際に、機械産業を中心とした製造業においては、東アジアとの経済関係の深化が急速に進み、製品や生産工程の棲み分けによる強靭な国際ネットワークが東アジア内に形成されつつあります。

中小部品メーカーにおいても、東アジアをはじめとした海外における生産展開の重要性がますます拡大してきているといえるでしょう。

 では、実際に海外生産を展開する場合には、どのように考え、実行していけばいいのでしょうか?

 中小企業は大企業と比べ、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)においてさまざまな制約を有していますので、とりあえず海外に生産拠点を持ってみて困ったら撤退・移転すればいいなどといった安易な考えではこれら事業を成功させることはできません。

 例えば、他社では容易に真似のできない独自の技術を有する企業が海外に生産拠点を設ける場合で考えてみましょう。

このような企業においては、独自技術を有する生産工程部分を海外に移転せず、他のどの部分を海外に移していくかを検討することをお勧めします。

なぜなら、海外生産拠点では技術が流出してしまうリスクが国内よりも多く存在するからです。

退職した従業員を通じてローカルメーカーにノウハウを盗まれるなど、意図しない技術流出により被害を被る例が多々見受けられます。

また、独自技術を国内拠点に残すことで競争優位性を維持しやすくなるといった利点が発生するケースもあります。

 このため、中小企業が海外生産を図るうえでは、自社のもつ経営資源の特徴を把握すること、言い換えれば「自社の強み」が何かを充分に把握したうえで臨むことが大切です。

そして、自社の強みに基づいて、どのような経営資源を海外拠点に移転し、どのような経営資源を移転せず国内拠点に残すかを戦略的に選択し、国内拠点および海外拠点を含めた全体の最適化を図っていくことが重要です。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)


記事提供:ゆりかご倶楽部



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