日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)と日本公認会計士協会(山崎彰三会長)との
せめぎあいが激しさを増しています。
争点は、公認会計士であれば税理士試験に合格していなくても税理士登録できる「自動資格付与制度」についてです。
日税連と会計士協会は長年この問題で丁丁発止を続けています。
日税連では、「会計士は税理士試験の税法に属する科目のうち、少なくとも1科目に合格してから
税理士登録できるようにする」ことが必要だと主張しています。
最近では、日税連が来年以降の税理士法改正を見据え、9月末に18項目の要望を
国税庁長官と財務省主税局長に提出しました。
すべての項目のなかでとくに熱を感じるのは税理士資格の自動付与制度の見直しで、事実、
この改正要望書とは別に、表紙などを含めて実に30ページにもおよぶ報告書をホームページ上にアップ。
見直しに向けてその本気度≠見せ付けています。
この報告書では会計士協会に対し、「(会計士協会の主張は)既得権を保護しようとするのみの、
論理的な説得力のない主張であると批判されてもやむを得ない」
「会計士が医学において一流である必要がないのと同じように、税務において一流である必要は
必ずしもない」「自らの権威を貶めているのではないかと危惧」
「説得的な議論がなされているようには思えない」など皮肉めいた言い回しを多用しています。
一方、会計士協会では、日税連の改正要望書に対し、
10月10日に「会長所感」と題した反論書を公表しました。
これまでの主張を繰り返し、「改めて税務に関する専門性を問う能力担保措置を講ずる必要性は全くない」と強く反論しています。
両者の主張には、
「自動的に資格が付与されるというのでは、納税者の保護も、
課税の公平性・適正性の確保も困難」(日税連)、
「組織再編税制や国際租税の分野などの専門性を有する税務の専門家である担い手の中から、
必要な税務サービスを受けることができる仕組みが不可欠」(会計士協会)などといったように、
納税者目線に立った文言が必ず織り込まれています。
しかし納税者にとっては、どちらの言い分が正しいのか判断しかねる問題かもしれません。
<情報提供:エヌピー通信社>
記事提供:ゆりかご倶楽部
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