最近、携帯電話のCMでは、“LTE(Long Term Evolution)”という言葉が盛んに登場するようになりました。
LTEは新しい通信方式で、注目される理由は通信速度の高速化にあります。
これにより、携帯電話でできることが増える、さらにはiPadのようなタブレット端末が
普及するなど、モバイル環境の変化が予想されます。
LTEは2010年に、NTTドコモがサービス(Xi:クロッシー)を開始したのが始まりです。
当初は一部で話題になるだけでしたが、急速に広まるきっかけとなったのは、
アップル社の新機種、iPhone5がLTEに対応していたことによります。
結果、auとソフトバンクが発売に合わせてサービスを開始し、CMがさかんに流れるようになりました。
どのくらい高速かというと、通信速度がキロ(kbps)からメガと文字どおり
桁違いに速くなります。これは、パソコンのインターネット回線が、
従来のアナログから光ファイバーになったときと同じくらいの差に相当します。
もう一つの特徴は、「低遅延」にあります。
携帯電話では、オンラインゲームや、IP電話アプリを利用することができますが、
従来は「遅延」のため反応が遅くなっていました。
この反応が改良され、快適に利用できるようになります。
そのため、従来よりも、動画サイトやゲームサイトのサービスが充実し、
エンターテインメントのモバイル分野がより発展することが予想されます。
そのほか、仕事の仕方や携帯電話、モバイルサイトでのプロモーションなどに変化が表れるといわれています。
LTEの登場により、大きな変化が表れそうなのはエンターテインメントの分野ですが、
そのほかにも、いくつか変化が予想されます。
仕事の方法に関することでは、会社にいなくとも、出先で大量のデータのやり取りが
できるようになります。
従来ですと、ページ数の多いパワーポイントや写真など、容量の大きなファイルは、
送受信に時間がかかるため、一度オフィスに戻り、ファイルを確認しなければならない
場合がありました。これが、外出先でもより短時間でファイルをダウンロードできるようになります(現在は地域差があります)。
また、オフィスのなかでは、コードレス化が進み、場所を選ばずに自由に仕事ができるようになります。
近年、従業員一人ひとりに席を割り当てない企業が増えていますが、
こうした自由席制度がより広まる可能性もあります。
くわえ、動画が途中で途切れる、ダウンロードに時間がかかるといったストレスが
減少するので、スマートフォンやタブレット端末からの動画閲覧がますます増えることが
予想されます。裏返すと、これは自社のアピール方法が多様化することを意味します。
従来、企業がインターネットを通して、自社や自社商品のプロモーションに取り組む時は、
パソコンによる広告やプロモーションサイトが中心で、美しい動画などはパソコンで
閲覧することを前提に制作されていました。
今後は、商品や自社のプロモーションにおいて、より高い効果を実現するには、
モバイル端末からの動画閲覧が増えることを意識し、これに適したプロモーションを展開することが大切になります。
(株)税務研究会 税研情報センター
記事提供:ゆりかご倶楽部
|
|
|