2014年度税制改正において、雑損控除に係る損失金額の算定方法が見直され、2014年分以後の所得税から、損失を受けた資産が減価償却資産の場合には、「時価」と「簿価」の有利なほうを選択できることになりました。
雑損控除とは、災害や盗難などによって納税者本人や生計を一にする親族の資産に損害を受けた場合や、納税者本人が災害などに関連してやむを得ない支出をした場合には、その資産の損失や支出のうち、下記の一定額を控除できるものです。
雑損控除額として控除できる金額は、
@「損失額(損害金額−保険金などで補てんされる金額)−所得金額×10%」
A「損失額のうち災害関連支出の金額−5万円」、のうちいずれか多い金額となっております。
2014年度改正では、災害の直前の価額であるいわゆる時価を算出することが困難なケースがあることなどから、減価償却資産については、いわゆる簿価ベースでの損失金額の計算が選択できることになりました。
これまで、「その損失の生じたときの直前における資産の価額(いわゆる時価)」を基礎に計算することとされていましたが、その資産が家屋等の使用または時間の経過により減価するもの、いわゆる減価償却資産の場合には、
「その損失の生じた日にその資産の譲渡があったものとみなして譲渡所得の金額の計算をしたときにその資産の取得費とされる金額(いわゆる簿価)に相当する金額」を基礎とする計算が選択可能となりました。
このように、雑損控除の資産の損失の金額については、その資産が減価償却資産である場合には、「いわゆる時価」または「いわゆる簿価」を基礎として計算することができます。
そして、所得税基本通達等の一部改正において、この資産の損失の金額について、個々の資産ごとに計算できることを明らかにしております。
したがいまして、災害等により資産に損失を受けた場合に、A資産は時価、B資産は簿価を基礎として計算することができますので、該当されます方は、ご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、平成26年12月12日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
記事提供:ゆりかご倶楽部
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