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HOMECONTENTSタックスニュースタックスニュース平成28年タックスニュース 2016.08.05


【時事解説】課題解決を促す決算書

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 決算書は財務内容を正確に表示することにより、企業の現状の課題を正しく認識し、その課題解決に踏み出すスプリングボードの役割を果たします。

その一例が退職給付会計に見られます。

退職給付に関する会計処理は上場企業と非上場企業で相違がありますが、そのことが年金基金の処理の違いに結びついているのです。

 上場企業では2000年に退職給付会計の改正が行われました。

それまでの年金会計は給付を確定している厚生年金基金であっても、原則的に毎年の掛け金を費用処理するだけでした。

約束した給付と積み立てた資産との差額である積立不足は貸借対照表には表示されていませんでした。

しかし、改正された退職給付会計では、確定給付年金の積立不足は企業の債務ですから、貸借対照表の負債の部に退職給付引当金としてオンバランスすることが求められたのです。

いわば、負債の時価会計です。

当然、その分自己資本は減少します。

その積立不足額は予想していた以上に巨額で、自己資本のほとんどを食いつぶすような会社すらありました。

 その後も運用環境の好転は望み薄で、確定給付型の厚生年金基金を抱え続ける限り、年金資産の運用成績は悪化することが予想されました。

そうなると負債の退職給付引当金は増加し、自己資本を毀損させ続けます。

ただでさえ厳しい経営環境の中で、そうした危険性のある制度を抱え続けることは株主が許しません。

そこで、多くの上場企業は、やむなく積立不足の補填という大きな犠牲を甘受した上で、厚生年金基金の廃止や、401k等の確定拠出型年金への変更に踏み切ったのです。(

 しかし、非上場企業では上場企業が採用している退職給付会計そのものが適用されていないので、厚生年金基金の積立不足については完全にブラックボックスになっていて、決算書からは全くうかがい知ることはできません。

そのことが非上場企業の厚生年金基金の解決の遅れにつながっています。

 基金の抱える深刻な課題の存在は認識できていても、その課題が自身の決算書に表示されず、しかも課題解決には積立不足の解消というかなり強烈な痛みを伴うものについては処理を先延ばししたくなるのが人情です。

そのうちに、相場環境が改善されるかもしれない、などといった淡い期待を抱き続けます。

そして、事態はますます悪化し、問題は放置されてしまいがちになります。

 どの経営者も自分の会社の決算書に積立不足額が計上され、自己資本を減少させていれば、何とか解決しなければならないと考えるはずです。

非上場企業でも、上場企業と同様の退職給付に関する時価会計が導入されれば、事態が深刻化する前に何らかの処置を施すことができるかもしれません。

悪いことは時が経つほど状況が悪化して処理が難しくなります。

 決算書に企業の現状の姿を正しく映し出す時価会計は、企業の課題処理を促す有用なツールだと考えることができます。

主として税務基準で決算処理を行う非上場企業において、どのように時価会計を導入していくのかは難しい問題ですが、経営者は自らの経営課題として前向きに取り組むべきではないでしょうか。


(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)




記事提供:ゆりかご倶楽部




8月5日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成28年8月4日

●外国居住者等所得相互免除法第2章関係(台湾関係)の情報を掲載しました(平成28年8月)



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