女房とさくら(柴犬)と散歩していたとき、女房殿が、何かいると呼び止めた。
女房殿は蛙と思ったらしく、私は栗かなと思って、近くによってみたら、鳥らしい、野鳩の雛らしい。
死んでるかなと思ったら、女房殿が動いた言う。このままでは、車にひかれてぺっちゃんこになってしまう。
巣からおちたのだろう。血はでていないが、傷ついているかもしれない。暗くてどこに巣があるかもわからない。
かわいそうなので、家に持ってかえらざるをえなかったのがはじまりです。
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2008年8月20日 |
家にかえってから、ネットで何の雛かなと調べたところ、やはり雉鳩の雛だった。
死ぬだろうか。それとも育つだろうか。
エサはビジョンミルクとのこと。これなに。免疫のある親鳥のミルクのことらしい。
ダンボールの中にいれて、パンをちぎったミルクと水をおく。
全く食べようとしない。野鳩の雛は自分からくちばしを開けることはないので、くちばしをあけていれるしかないとのこと。
かすかにピーとないた。
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2008年8月21日 |
女房殿がピーちゃんが飲まないとのこと。
スポイトを買ってきてミルクを飲ませる。少し飲んだ。
ウンチが水っぽい。ミルクはもう卒業している時期なんだろうか。
かわいい。私はほほをよせた。このヒナの匂いは好きなほうだ。
長男が赤ちゃんのとき、よく頭の匂いをかいだが、赤ちゃんの匂い。
女房殿は手袋にてさわる。威嚇してつっつくのよ。
ぜんぜん、つつかれてもくちばしがやわらかないので痛くないよという。
中学生のときに鳩を飼っていので、少しずついろんなことを思い出すが、
ヒナは親鳥が育てていたのでどうも思い出せない。
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2008年8月22日 |
インコを飼っている事務所のスタッフに相談する。
育ての親というスポイト器具が売っているとのこと。また、エサはコーンのパウダーがよいとのこと。
カインズホームへ行く。売ってない。インコのエサとスリコギを買う。
ヤサカでも売ってない。ヒヨコのエサを買う。
ヒヨコのエサをさらにスリコギでさらにつぶしねって、割り箸をけずってあげようとしたが、バラバラこぼれてうまくいかない。
しかたなく、つなぎに小麦粉にてネリエサにして、くちばしのなかに無理やり押し込む。
はぎだしもせず、食べる。ふくろ(そのう)がだんだんふくらんできた。
釣りえさのように手でねって、小さく、何十回もわけて食べさせるのは、大変だ。
母鳥は立派だとつくづく思う。自分が母鳥になった気分。
子バトに早く大きくなれとエサを無理やりたべさせたときのことを思い出す。
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2008年8月23日 |
ピーちゃんがお腹をすかしているのかよくわからない。
エサをあげるのに1時間もかかってしまう。こりゃ大変だ。
早く巣立ちしてほしい。
手を差し出すとちょこんと乗り、目を閉じている。ウトウトしている感じ。
手のあたたかさが伝わるのだろうか。こちらにもあたたかさ伝わってくる。
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2008年8月24日 |
ピーちゃんのエサやりで、女房殿と苦労する。まさに奮闘である。
そのうの減り具合が時間がたってもないような感じなので、エサをあげていいのかどうかわからなくなる。
じっとしていておとなしいが、エサをあげるときにはくちばしを無理やりあけてあげるので抵抗する。
まだ自分からくちばしを開こうとしない。たしかハトもそうだった。
早く自分でエサを食べられるようになってほしい。
ピーちゃんの写真を撮る。
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2008年8月25日 |
やっぱり足が気になるので、電話で、女房に動物病院につれていくように言う。
夕方電話があり、院長先生が今日はお休みで明日の4時以降にきてくださいとのこと。
夜、エサをあげる。やはり大変である。
のどにつまったか、あまりたべられない様子。水をあげる。
手間がかかるから早く巣立ちしてほしい。
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2008年8月26日 |
朝、1時間半ちかくもかかってエサをあげる。
ちょっとエサをはきだす。
事務所のスタッフが、育ての親とワラとエサを買ってきてくれた。
病院につれていこう思い、5時ちょっと前に家に帰る。家に着く直前、携帯が鳴る。
玄関から女房が出てきて、ピーちゃんが今死んだ。という。
さわるとまだあたたかい。呼吸はしていない。
まさか死ぬとは思わなかった。手の平に30分ほどのせたままの状態。
なんとか生き返らないものかとピーちゃんと呼び続ける。
だんだんと冷たくなっていく。悲しい。
雉鳩の育て日記のつもりだったが、病院につれていけなかったことを悔やむ。
巣立ちもせずにひとつの小さな命がなくなった。はかなく、さみしい。
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