居住用財産の3,000万円の特別控除の要件は、家屋である建物とともにその敷地である土地を譲渡した場合に適用されます。以下3000万控除といいます。
家屋とともに敷地が譲渡される。つまり、家屋のみで受けられ、土地のみで受けらず、家屋についた土地で全体が受けられる。しかも原則は1人の所有者である。
しかし、家屋と所有者がたとえば夫婦(親族)である場合には、一定の要件をみたせば、土地の所有者である配偶者についてもこの特例が認められている。
長年住んだ価値ゼロの家屋であって、売値がゼロであっても、土地の譲渡利益から3000万控除は受けられる。
3000万控除の要件
@その家屋とともにその敷地の用に供されている土地等の譲渡であること。
Aその家屋の所有者とその土地の所有者とが親族で、かつ生計を一にしていること。
Bその土地の所有者は、その家屋の所有者とその家屋を居住の用に供していること。
その家屋の所有者の譲渡所得の金額が3000万円に満たないとき、土地の所有者の譲渡所得の金額からその満たない金額を限度として控除できる。
家屋が夫婦共有であれば、2人とも3000万まで控除が受けられる。
たとえば、家屋の所有者が2人いる場合には、その家屋の譲渡に係るその満たない金額の範囲内で、土地の所有者が1人の場合には最高3000万円を限度とし、その土地の所有者が2人の場合には、6000万円を限度にその土地の所有者に配分する。
ただし、その土地の所有者各人ごとに3000万円を限度にこの取扱いをします。
3人以上も同様です。
この居住用家屋の所有者以外の親族が、その家屋の敷地の譲渡について3000万控除を受けた場合には、その家屋の所有者は、いわゆる特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除は受けられません。
措置法の条文をよんでもチンプンカンプンなんとむずかしいこと。
次に特定の居住用財産の買換えの特例とのからみですが、以下買換特例といいます。
この買換特例の要件は次であります。
買換特例の譲渡資産の要件
@譲渡の年の1/1における所有機関が10年超の国内の居住用財産であること。
A居住の用に供している期間fが10年以上であること。
B平成5年4月1日から平成21年12月31日までの譲渡であること。
現に自己の居住の要に供している家屋で長期保有資産(10年)であること。
その居住用家屋の建替している場合には、建替後の所有期間によります。
との土地を10年以上所有していても、建替えて10年経過してないとダメということ。
つまり、土地も家屋も譲渡した年の1/1において、10年を超えてなければ買換特例の適用は受けられません。
では、居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合の取扱いですが、まず、ともに買換特例を受けなければなりません。
もちろん親族関係で生計を一にしていることは、3000万控除と同じです。
@譲渡する敷地及びその家屋に10年以上ともに居住していたこと。
A居住の用に供すべき期限までに、取得した家屋又は土地に、ともに居住していること。
その他こまごまとした要件はございますが、特徴は敷地及び家屋とも長期保有資産でなければ適用がないことです。
ところで、余談ですが、土地と建物は別々のものですが、不動産売買において、土地はいくら建物はいくらと一般的に記載しません。
記載するのは、消費税の納税義務者が売却するときくらいです。
不動産仲介業者がたいていは仲介にはいりますが、先日、築が浅いのに消費税0円という記載の不動産売買契約書をみることがありました。
あきらかに、契約書の様式をまちがえたものです。築1〜2年の建物が0円のはずがありません。
また、建物と土地の値段の区分ですが、どちらを優先しても変な金額のものが多すぎます。
やりかたしだいで税金の金額が変動します。
また、余計なことを書いてしまいますが、税法はおかしな部分があり、実務においてなやまされます。
不合理な部分も多く、医療費控除しかり、個人的には、医療費控除と公的年金の確定申告はなくすべきものと思います。医療費の判定のむずかしさ。医療費は1年中に支払った金額によります。
かかった金額、いわゆる発生主義ではありません。
補填される金額を控除しますが、これは発生主義です。
全くの不合理です。医療費控除もそうですが、高額医療なども請求しなければもらえません。
医療費控除をなくし、最初から健康保険、介護保険などで調整すべきものと思います。
請求したものとしない人。制度を知らない人と知っている人。不公平なことと思います。
年金はお年寄りを楽にさせる意味でも、源泉徴収にて終了させるべきものではないでしょうか。
まして、働き盛りに、社会保険料控除をしているのですから。
2010.03.05 税理士 川島博巳 |
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