このほど帝国データバンクが公表した「金利上昇に伴う企業経営への影響調査」によると、調査企業の7割以上が、借り入れに対し悪影響を懸念していることが分かりました。
このところの景気回復基調を受けて、新発10年者国債の利回りが1.90%を上回るなど、現在、金利は上昇傾向にあります。
しかし、長引いた不況の中、企業の体力は疲弊し、まだまだ楽観視できる状態ではありません。今、金利が上がる事で、企業の負担が増え、再び景気が減速してしまうのではないかという心配もあります。
同調査は、金利上昇による企業の設備投資、および借入れへの影響を調査したもので、1万394社から回答を得ています。
なお、今後の金利動向については、調査企業の76.4%が「上昇する」と予想しています。
調査結果において、もっとも注目されるのが「借り入れのある企業」の回答です。現時点での影響については「すでに多大な悪影響を受けている」企業が1.2%、「若干の影響を受けている」企業が7.4%と、既に影響を受けている企業は10%に達していません。
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しかし、「今後、(影響を)受けると懸念している」企業については73.8%と7割を超えています。
景気は回復基調とはいえ、まだまだ地域間、業種間、規模間の格差は大きく、回復を実感できていない企業にとって金利上昇は大きな痛手、「業績回復前に金利負担が増すのは耐えられない」という声も聞こえているようです。
一方、設備投資への影響については、設備投資を計画している企業(3758社)のうち、「計画通り(設備投資を)実施する」と答えた企業が77.5%と8割近くに上り、少なくとも現時点では、金利の上昇が設備投資に与える影響は少ないようです。
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