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HOMECONTENTS相談事例集相談事例161105


父親所有の土地の上に居住用建物を建て、ローン残債があるその後土地建物を売却した場合で贈与税・譲渡所得税等の相談

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相談内容


主人は結婚前の約8年前に、船橋の実家に家を建てました。
ここの土地は主人の父の所有物です。

父の土地に、主人が2000万円のローンを組んで家を建てた形です。
約3年前に結婚し、主人はその家を出た為、船橋の家には主人の両親が2人で住み、両親がローンを払っています。

私達夫婦がそろそろ住宅を購入したいという事になり、今のマンションの契約が切れる1年2ヵ月後をめどに、購入しようと思っています。

ただ主人は既にローンを抱えているので、今のローンを消さない限り新たにローンを組むのは難しいと銀行に言われました。

そこで、主人の両親と話し合った結果、今の船橋の家を売却してローン返済を両親は余ったお金で中古マンションを買い、私達は自分達で頭金を出して家を購入するという事になりました。

不動産屋に見積りを取ったところ、3000万から3200万という結果でした。
内訳は住居部分が約900万、その他が土地の金額です。

単純に計算すると、ローンの残りの約1500万円を返済し、約1500万残る計算になります。

家と土地の持ち主が違うのですが、売却した代金でそのままローンを返済してしまっても良いものなのでしょうか?

それとも贈与税などが掛かってきてしまうのでしょうか?

実際にこのような計画は可能でしょうか?

また、これ以外にも何か税金等かかるようであれば、教えて下さい。

解答


まず、原則的には、ご主人のご両親が支払った家のローン代金はそこにご両親が住んでいても、ご主人への贈与に該当します。

建物相当の売却した資金(900万円)でローンの残債を返却するのは、ご主人の所有の建物ですので、全く問題はありませんが、土地部分相当の売却した資金でのローン残債の返却分は土地の所有者であるお父上からのご主人への贈与に該当します。

お父上の年齢によりますが、相続時精算課税制度を利用することによって、贈与しても贈与税をさけることが可能です。

https://www1.m-net.ne.jp/k-hiromi/sisanzei.html(参考)

お父上の相続のときに相続税がかからないのであれば、全く問題ありません。
5000万円+1000万円×法定相続人数を超える場合は相続税の申告が必要ですが。
■ご主人の家を売却することの課税関係
建物を売却した譲渡益について譲渡所得税の申告が必要です。

計算をしてみないとはっきりわかりませんが、概算ですと、
900万円ー(2000万円ー2000万円×09×0.028×8年)=△6,968,000
の譲渡損失が発生します。

ゆえに、居住用財産の譲渡損失の金額について売った年及びその後3年内の総所得金額等からの損益通算、繰越控除ができます。

ただし、個人の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。

いずれにせよ、譲渡には税金はかかってきません。

■お父上の土地売却による課税関係
土地を売却した譲渡益について譲渡所得税の申告が必要となります。
2100万円とすると
2100万円ー(取得費+譲渡費用)=譲渡益または譲渡損失
取得費は、実際に取得した金額と2100万円×5%のいずれか高い方にします。

譲渡益への課税
1.所有期間が5年をこえる場合(譲渡した年の1月1日で5年を超える場合)
長期譲渡所得として所得税15%住民税5%がかかります。
2.1以外は、短期譲渡所得として、所得税30%、住民税9%がかかります。
なお、お父上はご主人と生計を一にしてないので、3000万円の特別控除は> ありません。

かなり複雑な内容となりました。
相続時精算課税制度をどう利用するかは手持ち資金にもよりますが、よくご検討ください。