工場、倉庫などの建替えで、所有する土地に余裕がある場合、旧建物を隣地に移し替えるケースはよくある話です。
しかし、移し替え後の建物の移築費用や補修費用の税務処理には注意が必要です。
建物の解体移築をした場合の費用については、修繕費として損金にできることになっています。
ただし、その条件として、旧資材の70%以上がその性質上再利用できる場合であって、その旧資材をそのまま利用して建物と同一の規模及び構造のものを再建築するものに限られるとされています。
また、建物を移築する場合、建物の内装や外壁を塗り替えたり、破損個所を補修するケースも多くあります。
これについては、原則として法人が建物の補修をした場合、かけた費用のうち、その建物に新たに付加した部分は建物の取得価額に算入し、それ以外の費用は使用可能期間を延長させない限り、一時の損金として取り扱うことになっています。
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従って、旧建物をそのまま移設し、「建物の状況に何ら変わるところがない」ことが明らかであれば、解体移築費用に塗装、補修費用も含めて修繕費とすることができるわけです。
なお、建物の解体移築に伴い除却された部分がある場合、その未償却残高については、損金に算入することが原則とされています。
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