個人が土地などを第三者に貸して得る賃貸料収入は、不動産所得として税務署に申告しますが、その不動産所得の必要経費となる固定資産税などは金額が確定したものだけを計上するのが原則です。
ところが、金額の確定していないものを見積もって計上する例外措置がないわけではありません。
不動産所得は、土地や建物などの賃貸料収入から必要経費を差し引いて算出します。
その計算における必要経費には毎年支払う固定資産税などが含まれますが、問題は賃貸料を数年分まとめて一度に受け取った場合です。
不動産所得の計算上、賃貸料収入の収入すべき時期は、原則として「支払期による」とされているため、数年分の地代や家賃を一括して受け取った場合は、その全額がその年分の総収入金額となります。
ところが、必要経費は原則としてその年中に債務が確定した費用だけが計上できることになっています。
そうなると、一度に数年分の賃貸料を受け取ったときには、2年目以降は収入がないのに必要経費だけ計上することになり、所得の計算がうまくできなくなるわけです。
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そこで、国税当局としては、そのような場合は特別に、翌年以降の貸付期間に対応する必要経費について「その貸付けの年のその業務に係る費用又は損失の金額」と「翌年以降の賃貸料収入に係る貸付期間が終了する日までの各年において、通常生ずると見込まれる費用の見積もり額」との合計額を、総収入金額に算入された年の必要経費とする例外を認めています。
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