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取締役の任期延長、大勢は「様子見」?

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 5月に施行された会社法では、株式譲渡制限会社(非公開会社)は、旧商法で原則2年とされていた取締役の任期について、定款を変更することで最大10年まで延長できることになりました。

 取締役の任期を延ばすことのメリットは、株主総会での手続き事務や登記事務から解放されることです。
また、役員変更や再任の登記費用も節約できます。
そのため、特に規模の小さな企業では、取締役の任期を10年に延ばす企業が多いのではないかと考えられていました。

 ところが、大阪市信用金庫が取引先1173社から回答を得たアンケート調査によると、取締役の任期を「延ばす」という株式会社は22.4%。意外に少ない結果です。

ただ、「未定」と答えた企業が53.2%を占めていることから考えると「様子見」の企業が多いのでしょう。
今後、メリット、デメリットが明確になってくることで、取締役の任期を延ばす株式会社は増えてくると思われます。

 ちなみに、役員の任期を延ばすデメリットは、まず、登記を失念しやすくなることです。
最大10年という長期間ですから、前回はいつ登記したのかを忘れてしまう危険があるのです。
登記を怠ると過料が発生します。さらに12年間なにも登記しないと会社は「みなし解散」させられてしまいます。

 また、任期中の取締役の解任が困難になることも予想されています。
というのも、株主総会の決議で取締役はいつでも解任できるのですが、会社法では「解任のための正当な理由がない場合には、その者は会社に対し損害賠償を請求しうる」と規定されているのです。

 なお、会社法では取締役一人でも株式会社が設立できるようになりましたが、この場合は流石に任期10年の設定が多いようです。





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