最近、マスコミ等で話題に上ることが多いグレーゾーン金利問題のはじまりは、今年1月、最高裁で出された「事実上、強制的に支払わされた超過金利は違法である」との判断でした。
グレーゾーン金利とは利息制限法の上限金利(15〜20%)と出資法の上限金利(29.2%)との間の金利のことです。
本来、グレーゾーン金利での貸出しは違法なのですが、借り手が任意で支払う金利については適法という「みなし弁済」規定があるために、立場の弱い借り手が泣かされていた事実があります。
しかし、最高裁の判例が出た後も、貸金業者はグレーゾーン金利での貸出しをやめようとはしません。
それは、過払い分の利息を取り戻すには法的手段しかなく、それが個人にとって大きな負担であることを知っているからでしょう。
そこで、金融庁が借り手の保護に乗り出しました。
具体的には出資法の上限金利を利息制限法の上限金利まで引き下げることで、グレーゾーン金利を無くそうとしたのです。
ところが、これに貸金業者や政界の一部から「低い金利では貸りられない人が増え、ヤミ金融がはこびる」などの猛反発が出たため、金融庁は3年間程度の移行措置として、少額・短期融資については数%の金利上乗せ(特例金利)を認める妥協案を出さざる得なくなりました。
今回、金融庁が提出した案によると、この特例金利の条件は個人向けが「返済期間半年以内、融資額30万円まで」または「期間1年以内、融資額50万円まで」。
事業者向けは「期間3カ月、融資額500万円まで」です。しかし、この案にも「特例金利が新たなグレーゾーン金利になる」と反対意見が続出しています。
今後、この問題は自民党内で議論されていくことになりますが、要注目です。
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