このほど、国税庁は「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例」を同庁のホームページで公開しました。
この質疑応答事例のベースは、9月に財務省が公表した同制度に関するQ&Aですが、内容はより具体的になっています。
たとえば「業務を主宰する役員」については、「必ずしも肩書きのみ」で判定されるのではなく、「事業計画の策定、多額の融資契約の実行、人事権の行使等に際しての意思決定の状況や役員給与の多寡など」も判断の要素になるとしています。
また、同制度では、オーナーと「同一の内容の議決権を行使することに同意している者」が保有する株式についてはオーナーの保有株式とみなす規定がありますが、これについて、以下のような場合に「同一の内容の議決権を行使することに同意している」とみなすことが記載されています。
■株式の所有が組合形態で行われている場合で、特定の組合員の意思により議決権が行使される旨の組合契約等における合意がある
■株式の所有が信託形態で行われている場合で、委託者、受託者又は他の受益者の意思又は指図により議決権を行使する旨の合意又は信託行為における定めがある
■株式を相互に持ち合っている場合で、議決権の行使についてお互いの意に沿うよう行使する旨の合意がある
■継続的に白紙委任状を出している
なお、不明点の多い「常務に従事する役員」については、これまで通り実態判断とされ基準等はあまり具体化されていません。
ただし、使用人兼務役員については「役員としての職務に対する給与がその会社の使用人としての職務に対する給与を超える」ことが「常務に従事する役員」の要件として明記されています。これについては注意すべきでしょう。
参考URL
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例(PDF)
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