国税庁が公表した「会社標本調査結果」で、法人の交際費が9年振りに増加したことが話題になっています。
同調査は、法人企業の実態を明らかにするとともに、税制改正や税務行政の基礎資料とすることを目的に昭和26年から実施されています。
今回公表されたのは、今年(2006年)1月までの1年間の調査。
調査対象には資本金500万円以下の中小零細企業も含まれています。
その調査内容は法人数、資本金、利益計上法人と欠損法人数、営業収入と所得金額、交際費、寄附金、引当金、減価償却費などです。
注目されているのは交際費の状況で、今年1月までの支出された交際費が3兆5338億円に上り、昨年調査時に比べて2.7%伸びていることです。
交際費の支出額が伸びたのは平成8年以来で9年振り。なお、支出された交際費のうち、税務申告時に損金算入されなかった額は1兆8085億円(構成比51.2%)となっています。
これを資本金階級別に見ると、特に支出が増えているのが資本金5000万円〜1億円未満の法人で伸び率は17.0%。次いで資本金10億円以上の法人が伸び率12.3%となっています。
一方、資本金1000万円未満の法人はほぼ横バイ、1000万円〜5000万円未満の法人は逆に減っています。
いわゆる中堅企業と超大企業において、交際費の支出が増えているというのが実情のようです。
なお、業種別の一社平均で見ると支出額のトップは化学工業(1社あたり609万円)、次いで機械工業(同316万円)、金融保険業(同246万円)の順。目立つのは機械工業の1社あたりの支出額が30.7%も伸びていることです。
企業の設備投資が伸びている中、商談機会、競合機会の増加が機械工業の交際費支出を引き上げているのかもしれません。
参考URL
標本調査結果
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