耐震強度が偽装され取り壊しが決まっている東京都江東区の分譲マンション「グランドステージ住吉」の最後の居住者が2月11日に引き払い、67世帯すべてが退去し終えました。
マンションの住民たちにとって、外見では判断できない耐震強度の問題で自治体から出された退去命令は、予想もできなかった出来事でしょう。
また、マンションの住人に対して退去命令を出した自治体側も断腸の思いであったと言われています。
ところで、住んでいる住居から追い出されるケースというと、賃貸マンションの借家人が、契約条件を守らなかったために家主から明渡しを言い渡されるといったケースが考えられます。
しかし、借家権は非常に強い権利です。
たとえ借家人が契約条件に違反していたとしても、家主サイドは訴訟を覚悟の上で明渡し請求をしなければならない事もよくあります。
そして、いざ訴訟ともなれば高額な弁護士費用や印紙代がかかりますから、税務面での処理も気になります。
基本的に、不動産貸付業務に使用している資産について発生した紛争を解決するために支出した弁護士への報酬や訴訟のための印紙代などは、その業務において生じた費用となります。
したがって、資産の取得費となるものを除いて、借家人との間で起きた紛争を解決するために家主が支出した費用は、その支出した年分の不動産所得の計算上必要経費となります。
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