平成18年度税制改正において、日本の企業の大半を占める「同族会社」の判定基準が見直されています。
従来の「株式の50%超を3人以下の株主等で占めている場合」という判定基準に、「特定の議決権の50%超を3人以下の株主等で占めている場合」という基準が加わったのです。
「特定の議決権」とは、具体的には「組織再編関係の営業譲渡権」「役員の選解任権」「役員報酬の決定権」「剰余金や利益の分配権」を指し、どれか一つでも3人以下の株主等で50%超を占めている場合には、同族会社と判定されることになります。
5月に施行された会社法においては、多様な議決権等を株式に付与したり、制限することができるようになりました(種類株といいます)。
しかし、そうなると、議決権の無い株式を大量に発行して現在の経営陣の株式保有割合を引き下げ、同族会社の判定を回避できるようになります。
そこで、今回の改正では、実質的に経営の実態を握ると思われる議決権を判定基準に加えることにしたのです。
これまでの株式による判定が形式基準だったとすれば、今回加えられた議決権による判定は実態基準といえるでしょう。
実務的には、種類株を発行している場合、その明細を申告時に添付することになります。
また、今回改正においては、「特定同族会社」および「特殊支配同族会社」という新しい税務用語が生まれています。
「特定同族会社」は留保金課税の対象となる同族会社、「特殊支配同族会社」とは、いわゆるオーナー給与の一部損金不算入の対象となる同族会社のことをいいます。
会社が「同族会社」「特定同族会社」「特殊支配同族会社」にあたるかどうかは、税務上、非常に重要な意味を持ちますので、事前のチェックが必要です。
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