最近、新聞紙上などでCSRという言葉を目にする機会が増えてきました。
CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、日本語では「企業の社会的責任」と訳されます。1990年代に誕生した言葉ですが、脚光を浴び始めたのは2003年頃。
きっかけは2001年に米国のエンロン社が起こした粉飾決算事件だと言われています。
エンロン事件が社会に与えた影響は甚大でした。
この事件以降、企業は、社会が企業に向けた疑心暗鬼の目と闘わなければならなくなったのです。
こうした背景から、企業自らが不正・不法な行為をチェック、防止できるコ−ポレートガバナンス(企業統治)が重視され、また、財務報告に関する会計処理が適正であることを保証するためのSOX法(企業改革法)という法律も生まれました。
我が国でも、会社法等で「内部統制」が重視され、日本版SOX法が2008年に施行される見込みであることをご存じの方は多いと思います。
企業は自ら「自分の会社は大丈夫です」と公言しなければならなくなったわけです。
CSRもこの流れの中で注目されてきました。
ただし、CSRはより広い責任を企業に求めます。
財務的な側面だけではなく、社会的貢献、環境対策、労働環境、情報セキュリティ、企業倫理など、あらゆる点において「良い企業」であることが求められるのです。
一旦生じた企業への疑惑の目。これを払拭するためには、これまで以上の企業努力が必要だということです。
そして、これは中小企業も例外ではありません。
CSRを重視する公的機関や大企業は取引先にもそれを求めます。
また、市場の目も厳しくなります。そのような考えのもと、自分の会社の「CSR」を考えてみるのもよいかもしれません。
|
|
|