5月1日の会社法施行を受けて、各企業の動きが活発化しています。
会社法によって、会社設立や機関設計が容易になり、また経営者の裁量も拡大しましたが、一方では厳格な情報開示や法令順守など経営者の責任は重くなっています。
会社法による特典を受けたり、求められる経営責任を全うするためには、早めの対応が必要と考えている企業は少なくありません。
もっとも動きが顕著なのは上場企業です。読売新聞社の調べによると、4月末までに企業の行動原則を定めた「定款」の変更を公表した上場企業は179社にも達しているそうです。
定款変更をする上場企業の多くは、6月の株主総会に議案を提出すると見られます。その変更内容は、会社法(整備法)において、大企業に限って施行日から6か月以内の変更が求められている各種規定のほか、会社法によって新たに認められた規定、たとえば「取締役会議を開かずに書面やメールで決議できるようにする規定」や「配当回数を増やせるようにする規定」、「配当政策の決定権を株主総会から取締役会に移す規定」などを盛り込む企業が多いようです。
さらに、いわゆる毒薬条項−ポイズンピル−など、買収防衛策関連の規定を盛り込む企業も少なくないとのことです。
また、会社法施行日の5月1日には、「ゲンをかついで」登記の相談や手続きにきた人で、各地の法務局等は大混雑だったそうです。
その登記目的は、設立しやすくなった株式会社や新しい会社組織である日本版LLCの設立をはじめ、有限会社から株式会社への変更、既存会社の登記変更などさまざま。
有限会社の経営者からの「再登記は必要なのか?」という問い合わせも多かったようです。各地の法務局等では窓口を増やすなどの対策をとっていますが、しばらくは、このような混乱が続くと見られています。
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