このたび国税庁が公表した「平成17事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」によると、所得税について、平成17年7月から平成18年6月の1年間に実施した調査件数が前年よりも2万6千件多い80万7千件に上ったことが分かりました。
特に増えているのが簡易な接触(計算誤りや控除の適用誤りがあるものなどの是正を行う接触)で、前年よりも4万2千件も増えています。
また、これ以外の調査では、特別調査・一般調査が5万4千件(前年4万8千件)、着眼調査を行ったものが16万9千件(同19万1千件)でした。
このように所得税の調査件数が増えた大きな要因は、平成17年度分の確定申告を提出した人が過去最高の2318万人を記録したことでしょう。
これは主として年金課税の見直しが行われたことによるもので、従来は申告をしなくてもよかった年金受給者が申告書を作成することになったため、「計算誤りや控除の適用誤り」が多く発生したのだと思われます。
ただ、結果として申告漏れのあった件数(56万7千件)と申告漏れ所得金額(8957億円)は昨年並みに止まりました。
また、所得税調査と同時調査が行われた消費税(個人事業者)でも、調査件数が7万2千件と前年の3万件から大幅に増えています。
消費税免税点の引き下げで消費税の申告者が大幅に増えたのが主要因ですが、増加した消費税課税事業者を中心にポイントを絞って短期日でおこなう「無予告・臨店」調査が重点的に行われたため、これだけ大きな増加になったのです。
その結果、申告漏れのあった件数49千件、追徴税額220億円は両方とも前年より大幅に増えています。
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