平成18年4月1日より「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働時間等設定改善法)」が施行されました。
この法律は平成4年に制定された「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」の代わりに登場した法律です。
時短促進法は、年間総労働時間1800時間(制定当時は1958時間)という目標に向け、@年次有給休暇の取得促進、A完全週休二日制の普及促進、B所定外労働(残業・休日労働)の削減を強く企業に指導するためのものでした。
そして結果として、平成14年の年間平均労働時間は1816時間まで引き下げられました。
しかし、これは前述の労働環境が改善されたためではなく、パートなどの非正社員が増えたことにより「結果的」に達成されたものだったのです。
事実、2003年度の正社員の年間総労働時間は2013時間と増えているのです。
そこで、政府は時短促進法をリニューアル。労働時間等設定改善法を制定しました。労働時間短縮を経営者に求めていくという考え方は変わりませんが、一律的な労働時間短縮という考え方は無くなりました。
労働時間や休日を労働者ごとの事情(健康、生活、働き方など)に対応できるものに改善することを目的としているのです。
具体的には、労働時間等設定改善委員会など労使間の話し合いの機会の整備、業務の繁閑や進め方に応じた労働時間等の設定、有給休暇を取得しやすい環境の整備、所定外労働の削減などが定められたほか、「特に健康の保持に努める必要があると認められる労働者」「子の養育又は家族の介護を行う労働者」「妊娠中及び出産後の女性労働者」「単身赴任者」などに配慮した措置も経営者に求められています。
ただ、いずれも努力目標で罰則もないため、実効性がどの程度あるのかについては疑問視されています。
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