今年1月に施行された「改正耐震改修促進法」は、大規模地震に備えて学校や病院などの公共建築物や住宅の耐震診断・改修を早急に進めるため、都道府県に数値目標を盛り込んだ計画の作成を義務付けるものです。
具体的には、地方公共団体は国土交通省が策定した「基本方針」に従い、耐震診断・改修に係る助成制度整備や、密集市街地や緊急輸送道路・避難路沿いの建築物の耐震化促進などを実施するための「耐震改修促進計画」を速やかに策定することになっています。
ところが、この耐震改修促進計画の策定が遅れています。
このほど国土交通省が公表した資料によると、今年中に策定予定の自治体は都道府県が半分弱の22自治体、策定が義務づけられていない市区町村に至っては5自治体しかありません。
ここで問題になるのが、今般税制改正で創設された「住宅等に係る耐震改修促進税制」です。
同税制は、個人が平成20年までに旧耐震基準で建築された住宅の耐震改修工事を行った場合、所得税控除と固定資産税の減額を受けることができるものです。
ただ、その条件として住宅耐震改修のための一定の事業を定めた計画区域であることが必要とされており、前述の耐震改修促進計画はその一つとされています。
そうなると、同計画が策定されていない自治体では、住居の耐震改修工事を行っても同税制の適用を受けられないのではと心配になります。
ただ、実際に市区町村のホームページを見ると、自治体が独自に実施している耐震改修等に係る助成金等の対象になっている場合は、同税制の適用に必要な証明書を発行すると記載されているところが多く、なかには対象地域についての記載が無いところもあります。
自宅の耐震改修工事を予定している場合は、事前に市区町村に確認しておきましょう。
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