「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」が「中小企業の会計に関する指針」の改正に関する公開草案を公表、コメントを募集しています。
「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」は、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の関係4団体が主体となって設置された委員会です。
会社法(平成17年6月29日成立、平成18年5月1日施行)において会計参与制度が導入されたのに伴い、中小企業の会計参与が依るべき統一的な会計基準として、同委員会が公表したのが「中小企業の会計に関する指針」(平成17年8月3日公表)です。
今回の改正案はこの「中小企業の会計に関する指針」を見直すもの。
主として企業会計基準委員会が定める「企業会計基準」の改正に伴う改正案のようです。
たとえば、金銭債権について「取得価額と債権金額が異なる場合の処理方法」では、「償却原価法」に基づいて算定された価額を貸借対照表価額とすることとされています。
これは「金融商品に関する会計基準」(平成18年6月6日改正)において、社債を含む金銭債務の貸借対照表価額について収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、「償却原価法」に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とする改正があったことに伴うものです。
また、繰延資産の範囲においては、「研究費及び開発費」が「開発費」に一本化されたほか、「新株発行費等」が「株式交付費等」に名称変更されるなどの改正が行われるとともに、一部の「研究費及び開発費」について「発生時に費用処理されることが望ましい」との規定が無くなりました。
これらは「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」(平成18年8月11日改正)が改正されたことに伴うものです。そのほか、改正された会計基準等への引用部分なども変更されています。
ただし、「リース取引に関する会計基準」(平成19年3月30日公表)や「棚卸資産の評価に関する会計基準」(平成18年7月5日公表)などは今回の改正案には反映されていないようです。
前者は所有権移転外リース取引等、後者は低価法による棚卸し評価等についての会計基準です。
「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」では、今後は原則として年1回のペースで「中小企業の会計に関する指針」の改正を行うとのことで、これらについても来年以降の改正で対応されていくことになりそうです。
参考URL 公開草案
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