6月より、多くの方の住民税が上がることになります。
そのため市町村をはじめ多くの自治体では、ホームページや広報誌などでこの事を大々的に取り上げてPRしています。
住民税が変わるのは、定率減税が今年分から廃止されたこともありますが、平成18年度税制改正において国税(所得税)から地方税(住民税)への税源委譲が実施されたことがそれ以上に大きく影響しています。
具体的には、いままで所得に応じて5%、10%、13%に分けられていた所得割の税率が10%(道府県民税4%+市町村民税6%)に統一されます。
また、それによって生じる納税額の差額については所得税率で調整されるとともに、所得税と住民税の人的控除(基礎控除や扶養控除)の差額についても調整控除が用意され、定率減税廃止分を除いて所得税+住民税の額は従来と変わらないように配慮されています。
既に給与から源泉徴収される所得税の率は今年1月分から見直されており、確定申告を行う人の場合は来年の確定申告で使う所得税率が変わります。
しかし、住民税の場合は前年分の所得にかかる住民税を翌年6月から支払うことになっているため、給与所得者の場合は6月徴収分から、それ以外の方も6月末納期限分から住民税が変わることになるのです。
ちなみに、住民税は高額所得者を除くほとんどの方のケースで大きく上がることになります。
たとえば、給与所得500万円で夫婦+子供2人(うち一人は特定扶養者)の場合、年税額は約7万円から13万円5千円(定率減税廃止分含む)と2倍近くにもなります。
昨年も6月から7月にかけて、主に高齢者から「住民税や国民健康保険料、介護保険料が高すぎる」との問い合わせや苦情が地方自治体に多く寄せられ、各自治体では臨時の相談窓口を開設するなど対応に苦労していました。
これは、平成16年度税制改正で公的年金控除や老齢者控除が見直された結果、高齢者を中心に住民税や国民健康保険料などが上がったことによるものだったのですが、やはり納税者への周知徹底、説明不足があったことも否めません。
今回、各自治体が「6月から地方税が変わる」というPRにやっきになっているのは、この昨年の苦い経験もあるのでしょう。
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