総務省の「ふるさと納税研究会」(座長=島田晴雄・千葉商科大学長)が、「ふるさと納税」について住民税額からの寄附金控除が望ましいという結論を出したそうです。
具体的には、5000円超の寄附金をした場合、5000円を超えた寄附金の額を個人の住民税から差し引くというもので、上限額は住民税額の10%ということです。
寄附金控除とは、納税者が「特定寄附金」を支出した場合に一定の所得税控除を受けることができる制度です。
「特定寄附金」とは、国や地方公共団体、学校法人、社会福祉法人、政治団体など(住民税の場合は、都道府県、市町村、特別区、共同募金会、日本赤十字社に対する寄附金に限定)に支出した寄附金のことをいいます。
現在の寄附金控除は以下のような税額控除制度です。
■所得税
税額控除額=下の1、2のうち低い金額−5千円
1.寄付金の総額−5千円
2.総所得金額の30%−5千円
■住民税
税額控除額=下の1、2のうち低い金額−10万円
1.寄付金の総額−10万円
2.総所得金額の25%−10万円
今回、望ましいとされた「ふるさと納税」の仕組みは、住民税の寄附金控除のうち、地方公共団体に対する寄附金のみ切り離し、所得税と同規模の税額控除制度にした上で、上限額(税額の10%)を設けるということでしょう。
たとえば、出身地の地方公共団体(市区町村、都道府県など)に1万円の寄附金をした場合、所得税5千円、地方税5千円の合計1万円が税額から控除されます。つまり、この場合は寄附した金額がそのまま戻ってくる計算になります。
だったら、もっと寄附したらどうなるの?と気になるところですが、今回の「ふるさと納税」の案では上限が税額の10%という縛りがあります。
たとえば、年収500万円で夫婦+子供2人世帯の場合の住民税額は概算で19万円ほどですから、その10%の1万9千円が住民税から控除できる上限となるわけです。
政府は、この「ふるさと納税」の案を来年度の税制改正に盛り込みたいと考えているようです。
しかし、住民税収入の多い都道府県などからの反対や、参議院で多数を占める野党の対応によっては、実現が厳しくなるかもしれません。
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