最近、世界の企業が開発に力を注いでいるものの一つに「量子コンピューター」があります。
これは、物理の量子力学を応用して計算するコンピューターです。
従来、計算速度では、スーパーコンピューターがもっとも優れているとされていましたが、量子コンピューターはより高速で答えをはじき出すのが特徴です。
今後、実用化が進めば、高速計算が必要な分野は量子コンピューターが取って代わるといわれています。
様々な計算の中でも、量子コンピューターが得意とするのは、膨大な選択肢から最適な答えを導き出すことです。
一例を挙げると、製品の運送ルートの選定があります。
工場から製品を複数の納品先に配送する場合、いくつものルートが考えられます。
納品先が多数になるほど組み合わせも多くなる上、渋滞や天候、事故、工事など、交通の妨げとなる事象により、最短、最速で回るルートは変わります。
中でも、渋滞の状況は刻々と変化するため、計算が極めて複雑です。
従来のコンピューターでは、最適なルートを導き出すには時間がかかりすぎて、答えが出るころには状況も変わってしまうこともありました。
ところが量子コンピューターならば、即時に答えが出せるので、従来よりも目的地に、短い時間と距離で到着できる可能性が高まります。
結果、運送コストの削減、さらには効率よく配送できるので、人手不足の解消といった社会が抱える課題の解決にも貢献します。
応用分野は、物流のほかにも営業の巡回ルート、さらには複雑な計算が必要な新薬の開発など、多くの分野で期待されています。(
物流における効率的なルート選定のほか、複雑な計算を要する新薬の開発、DNA分析など、様々な分野での応用が期待されています。
医療の分野では、がんの放射線治療で、患者に適した安全な放射線の照射量の算出も瞬時にできるようになります。
量子コンピューターは、開発を手掛けるメーカーはもとより、部品を供給する企業、コンピューターの性能を活かして新たなサービスを提供する企業など、幅広い分野にビジネスチャンスをもたらします。
こうした商機を得ようと、世界で多くの企業が開発に着手しています。
具体的には、カナダの企業が2011年に商品化したのをはじめ、米国ではグーグルやIBM、マイクロソフトなどが開発を進めています。
ほか、EU、英国、中国なども参入し、開発競争にしのぎを削っています。
日本はやや出遅れていますが、政府が量子コンピューターの開発を政策の一つに掲げ、2018年度から10年間、約300億円の投資を決めました。
現在の開発状況は、2017年、NTTが試作機の開発に成功しています。
ほか、民間企業ではNECや日立製作所などが参入し、数年後の実用化を目指して、人員増加などで体制の強化をはかっています。
ただ、まったく弊害がないわけではありません。
懸念の一つには暗号読解があります。
従来のコンピューターの処理能力では、解読が不可能とされていた暗号でも、量子コンピューターは性能が良いので解読できてしまう、といった負の側面もあります。
こうした影の部分を解決しながら、社会が受けるメリットの最大化をどう進めるかにも注目が集まります。
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
記事提供:ゆりかご倶楽部

参考URL
平成29年分 確定申告特集
平成29年分の確定申告においてご留意いただきたい事項(平成30年1月)
■国税庁HP新着情報
■財務省 各年度別の税制改正の内容
□総務省 税制改正(地方税)
■ご意見箱 財務省
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