中小企業において人手不足が深刻化する中、企業価値を維持・向上させるための外部リソースの活用を指すアウトソーシングへのニーズが高まっています。
一般に製造業務の委託といったいわゆる「外注」の形態は既に多くの中小企業において認知されていますが、製造業務の委託以外の高度な分野を含めた、業務プロセスの外部委託への拡大余地が見込まれています。
「中小企業白書2018年版」に基づき、中小企業における既存業務のアウトソーシングの取組状況についてみると、アウトソーシングに取り組んだことがある企業の割合は50.5%となっており、全体のうち14.1%が3年前に比べて積極化しています。
次にアウトソーシングを活用している企業に対しその理由を聞いたところ、「受注の増加に対応できる(47.1%)」、「季節的な業務量の変動に対応できる(40.8%)」の順に回答割合が高くなっています。
また「社内で実施するより、効率的に成果が得られる(28.3%)」、「周辺業務を切り出すことで、従業員がコア業務に集中できる(24.1%)」などの回答も一定割合を占めています。
一方で「中小企業白書2017年版」に基づき、アウトソーシングの活用状況別に見た導入における課題についてみると、「未活用検討中」の企業においては「導入の費用対効果が不明(50.0%)」、「適切なアウトソーシング先が見つからない(32.0%)」の順に回答割合が高くなっています。
他方、既にアウトソーシングを活用したことのある企業では「特に課題はない」とする割合が最も高くなっています。
このように、アウトソーシングの活用にあたっては業務の外部への切り離しを行うにあたっての費用対効果の算定がカギとなるのです。
では、中小企業において、具体的にどのようなアウトソーシングの取組みがみられるのでしょうか。
そこで「中小企業白書2018年版」において、従業員の業務の一部をアウトソーシングすることでコア業務に注力し高付加価値を生み出している事例として紹介された、はな物語(埼玉県杉戸町)の事例についてみていきましょう。
はな物語(従業員15名、個人事業者)は、プリザーブドフラワーの生産・販売を行うネットショップです。
「国家検定一級技能士によるデザイン」など独自サービスの提供を強みとしています。
以前は各従業員に対し、商品製作、電話対応、顧客管理、事務処理等を幅広く担当させていたことから、最も重要な商品製作に時間が割けない状況に陥っていました。
従業員へのヒアリングにより電話対応による受注業務が最も大きな業務負荷となっていることが判明したことから、電話による受注業務を外部のコールセンターにアウトソーシングしました。
当初は業務の外部委託に不安を感じたものの、委託業者の電話対応の良さによって顧客満足度が向上しました。
また、コールセンターの窓口は電話を受けることが可能な人数が多いため、受注できる数も増え売上の増加につながりました。
また、ウェブページに記載する商品の撮影や、画像登録といった作業も外部に委託することで、商品製作に注力する時間の捻出に寄与しています。
これらの取組みにより、従業員の主要業務が自宅でも対応可能な商品製作に絞られたことで、在宅勤務など多様な働き方の実現にもつながりました。
このようにアウトソーシングの活用により業務を効率化することができるとともに、自社のコア業務に注力することが可能となるのです。
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
記事提供:ゆりかご倶楽部

参考URL
■国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)
3月22日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:平成31年3月20日
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