融資をする際に最も重要なのは与信判断でした。
与信判断とは、借入申込人におカネを貸してもいいかどうか、そして貸せることができるとしたら、いくらまで貸せるかを判断することです。
与信判断は、つまるところ、借入人の返済財源を見極めることにあります。
そして、返済財源は二つに分けることができます。
第一の財源は将来の収入見込みです。
借入金の返済期間中、収入が十分にあれば、返済できると判断できます。
ただ、将来は何があるか分かりません。
勤めている会社が倒産してしまうかもしれませんし、病気になり働けなくなってしまうかもしれません。
そうした不慮の事態に備えて、第二の財源として担保を取ります。
不動産などの担保を評価して、もしものことがあっても担保で取り返せるということであれば、融資可能と判断できることになります。
ここで肝心なことは、将来収入も担保評価も数値で表現されるということです。
その数値を融資金額と比較衡量して、融資の可否及び融資金額を決定します。
このような形で融資をするのが基本ですが、私は、果たして与信判断を返済財源だけで行うことは正しいのだろうか、という疑問をずっと抱いていました。
というのは、特に個人に対する融資について当てはまることなのですが、与信判断には返済財源という数値では表現できない、もっと大切なことがあるのではないかと感じていたからです。
それは、やや漠然としていますが、借入人の借入金の返済に関する誠実性といったものです。
状況が順調なときは問題がありませんが、カネが足りなくなってきたとき、返済に対してどのような態度を取るかは人によって異なります。
誠実性の高い人は自分の生活をギリギリまで切り詰めても返済をしようとしますし、反対に誠実性の低い人は自分の生活を優先して返済を後回しにするでしょう。
そんな誠実性の判断ができれば、与信判断の妥当性はもっと高くなるのではないかと思っていたのです。
しかし、そんな誠実性は数値化できないので、与信判断に加えることは無理というのが常識でした。
ところが、最近のAI(人工知能)の発達はそんなこともできるようになっているようです。
買い物履歴、クレジットカードの使い方やその決済状況などは金銭に関する直接的情報ですから、金銭に対するその人の誠実性を判断する重要な情報になることはいうまでもありません。
そうした金銭情報だけではなく、その人がネットでどういう情報を好んで読んでいるのかとか、フェイスブック、ツイッターに対する共感や反感を総合的に分析すれば、返済に関する誠実性をかなり正確に判断できるようになるというのです。
まだ、実用段階には至っていないようですが、もはや将棋ではプロを凌駕するほどになったAIによるビッグデータ分析の急速な発達を考えれば、早晩可能になるでしょう。
借入人の誠実性までも加味した与信判断が行える時代は目前に迫っているようです。
しかし、ここまで考えたとき思わずドキリとします。
確かにカネを貸す立場からは誠実性を判断材料にできるというのは朗報ですが、借りる方からすればゾッとしません。
自分の人柄を機械に判断され、「お前は誠実性が低いからカネを貸せない」と言われるのは、何か薄気味悪い気がします。
技術の進歩は何もかも数値化を可能としてしまう勢いなのですが、果たしてこれが望ましい社会なのかというと、考え込んでしまいます。
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
記事提供:ゆりかご倶楽部
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参考URL
■国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)
10月9日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:2020年10月8日
≪税の情報・手続・用紙≫
●動画で見る確定申告
■財務省
・財務省 各年度別の税制改正の内容
□総務省 税制改正(地方税)
■ご意見箱 財務省
□法令解釈通達 |国税庁
■消費税の軽減税率制度について|国税庁
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