事業承継においては、後継者の選定や育成、引継ぎ意思の伝達など、先代経営者が事業承継前の準備において果たす役割は大きくなっています。
中小企業庁編「中小企業白書2023年版」では、先代経営者の事業承継後の経営に対する関与や役割について分析を行っています。
以下で同白書において、事業承継における先代経営者の関与について実施したアンケート調査の分析結果についてみていきましょう。
まず、先代経営者の引退後の勤務形態についてみると、
「自社で、会長・顧問・相談役等として勤務」と回答した割合が約7割となっています。
先代経営者の多くは、事業承継後も自社に残り勤務する傾向にあることから、
後継者は先代経営者の引退後の役割や処遇について事前に検討しておく必要があると考えられます。
次に、事業承継後の意思決定の状況別に、後継者に対する従業員からの信認状況についてみると、
「主に後継者が意思決定を行っている」企業は、「主に先代経営者が意思決定を行っている」企業と比較して、
「従業員から信認を得ている」と回答した割合が高くなっていることがわかります。
さらに事業承継後の意思決定の状況別に、先代経営者の事業承継後の役割についてみると、
「主に後継者が意思決定を行っている」企業においては、先代経営者は事業承継後も、
主に「経営の助言者・相談相手」などの役割を担っていることがわかります。
一方で、「主に先代経営者が意思決定を行っている企業」は、「主に後継者が意思決定を行っている」企業と比較して、
「取引金融機関との関係維持」や「既存取引先との関係維持」など、社外関係者との関係を保つ役割を先代経営者が担っている様子が見て取れます。
では、実際の事業承継の局面において、先代経営者は後継経営者にどのように関わっているのでしょうか。
そこで中小企業庁編「中小企業白書2023年版」において、先代経営者が後継経営者に経営を任せつつも、
互いに協力して成長を続けている企業の事例として紹介された、アルファテックス株式会社(東京都品川区)の取組みについてみていきましょう。
アルファテックス株式会社は、前社長(現取締役会長)が1987年に創業した、システム開発・運用・保守といったITサービスや業務アウトソーシング等を手掛ける企業です。
前社長の息子である現社長は、他社での勤務経験を経て2005年に同社に入社、取締役等を経て2018年に社長に就任しました。
同社では創業者である前社長の存在感が大きかったことから、現社長は承継を機に全社員が当事者意識を持ち事業を動かしていく企業へ転換を図りました。
また前社長は、承継後3年間は現社長と共同で代表権を持つものの助言や相談に乗る程度にとどめ、
経営判断の大半を現社長に任せることで後継者育成を行うとともに、前社長の同社に対する影響力を小さくしました。
また、経営方針発表会等を通して、前社長自らが創業時の思いや理念など同社の根幹となる考えを社員に伝え、
社員が主体的に考えて行動するための判断軸を提供しました。
一方で、現社長は自社の経営に専念し、社員が自身の能力を最大限に引き出せる環境を整えるべく、
人事評価基準の見直しや資格取得制度の充実等に着手しました。
このように、前社長が経営から一線を引いたことや、現社長の一連の取組みによって、
事業を発展させていくために何をすべきかについて、社員が自主的に考えていく意識が高まったのです。
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
記事提供:ゆりかご倶楽部
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参考URL
■国税庁HP新着情報(国税庁トップページ)NATIONAL TAX AGENCY
■財務省
・財務省 各年度別の税制改正の内容
□総務省 税制改正(地方税)
■ご意見箱 財務省
□法令解釈通達 |国税庁
■消費税の軽減税率制度について|国税庁
◆国税不服審判所/公表裁決事例
◆国税庁/税務訴訟資料
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