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青色専従者を否認。還付が認められなかった事案(国税不服審判所の裁決事例)

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 請求人の夫の事業への従事の程度が一時的ないし臨時的なものであり、事業に専ら従事するものとは認められないとして、弁護士の妻が申告した医療費控除の適用を否認した原処分庁の判断を「妥当」とする国税不服審判所の裁決事例が公表されています。

 弁護士の妻である審査請求人は、夫の弁護士から青色事業専従者給与の支給を受けており、その給与所得から医療費控除をして所得税の還付を受けるため、還付申告書を税務署に提出しました。

ところが、原処分庁は請求人が従事する業務は「夫婦間の相互扶助の範囲内のもの」であり、請求人は青色事業専従者に当たらないと判断。
その結果、請求人の医療費控除を否認する更正処分を行いました。
この事案は請求人が同処分の取消しを求めた事案です。

 請求人は、夫が営む弁護士業において「総勘定元帳や試算表の作成」「確定申告書の作成準備、申告」「銀行手続き」「現金出納、および伝票、元帳整理」「スケジュール管理等の秘書的業務」「自動車の運転業務」など所得税法第57条に規定される「居住者の営む事業に従事するもの」に従事していること。

また、請求人の従事日を記録した「出勤簿」によると、所得税法施行令第165条に規定される青色事業専従者の判定基準「専ら従事する期間がその年を通じて6月を超える」ことも明らかであることなどを主張していました。

 これに対し、国税不服審判所は、妻が従事していたと主張する各業務は、夫の営む事業の内容ないし態様、従事する労務の内容ないし態様、要する期間ないし時間及び頻度等の諸要素を勘案した結果、一時的、臨時的なものであると判断。

請求人が夫の営む弁護士業に「専ら従事した期間が6月を超える」とは認められないとしました。
また、「出勤簿」についても、自宅に備え付けられていることや請求人が夫の所属事務所に出勤していないことなどから、一般社会通念上の出勤簿とは明らかに異なり、この「出勤簿」を以って「専ら従事した期間」を判断することはできないなどとして、請求人の主張を退けました。

 つまり、請求人が従事していた業務が、原処分庁が言う「夫婦間の相互扶助の範囲内のもの」に当たるかどうかでなく、請求人が事業に専ら従事した期間が6月を超えるかどうかについて、請求人の業務内容や出勤記録の有無などから判断した裁決となっているようです。


参考URL
国税不服審判所 裁決事例集No73




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