養老保険の全額損金プランとは、会社を契約者、役員および従業員を被保険者とする養老保険契約で、死亡保険金受取人を会社、満期保険金受取人を被保険者とすることで、会社が負担する保険料の全額を損金に算入するものです。
この場合、死亡保険金にかかる保険料は支払保険料、満期保険金にかかる保険料は被保険者への給与となります。
今回、被保険者である役員が受取った満期保険金の税務をめぐり、福岡県で株式会社を経営する男性ら4名が裁判を起こしました。
原告らは、彼らが経営する会社を契約者、原告らを被保険者とする養老保険に加入。
死亡保険金受取人を会社、満期保険金受取人を被保険者とする契約で、保険料はその2分の1を「保険料」として損金処理、残りの2分の1は被保険者への「貸付金」として処理したため実質的には被保険者が負担した扱いとしていました。
この保険契約にもとづいて満期保険金を受取った原告らは、一時所得の計算上、法人負担分も含む保険料全額を控除して確定申告したところ(所得税法34条2項、所得税基本通達34-4)、
税務署は通達を詳しく見ていくと、一時所得の計算上控除できる保険料は本人が負担した保険料、および会社が負担した保険料の場合は給与課税された保険料に限られると主張。
「法人が負担した2分の1の保険料は控除できない」として更正処分したことから司法で争うことになりました。
福岡地裁は、国民生活の法的安定性と予測可能性を保障する租税法律主義の原則から、その解釈に当っては、法令の文言が重視されるべきとし、保険料の全額を控除できるとする原告らの主張を認めています。
敗訴した税務署側はすでに控訴しており舞台は二審の福岡高裁に移りましたが、関連条文の解釈をめぐる一審の判断が果たして二審でも維持されるのか、今後の展開から目が離せません。
(エヌピー通信社)
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